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【米FRBの金融引き締めの都度、日銀が緩和強化してきた本意は…】日銀:原材料インフレの張本人⑥

2021-11-05 00:02:17 | 日本
前回からの続き)

 本稿冒頭で書いたように、日銀の現行金融政策(俗称「異次元緩和」、現在の正式名称は「長短金利操作付き量的質的金融緩和」)の目的は、じつは3段構えになっていて、「本当の目的」は前述のような、アメリカ支援・・・のように思わせておいて、その裏に「本当に本当の目的」があって、それこそ・・・以前から指摘している、アメリカをインフレで自滅に追い込むこと・・・だと考えています。そのあたり日銀としては、その「張本人」であることがバレないよう、同政策の開始(2013年春~)からじっくり時間をかけ、直接、自分では手を出すことなく、相手が勝手に逝くよう、いまに至るまでのいくつかの節目で金融緩和を深化させてきた、というところでしょう。

 で、その節目とは・・・具体的には、米FRBの金融引き締めのタイミング、ということになります。FRBだって、いつまでも金融緩和を続けることの危険性くらい認識しているはずで(?)、事実、リーマン・ショック直後に開始した量的緩和策(QE)を2014年10月末にいったんは手仕舞いました。FRBとしては、それによって、資産バブルのそれ以上の膨張とその崩壊時のダメージ(資産デフレ→金融不安等)を最小化したい、という思いからに違いないでしょう。ところが・・・それとドンピシャのタイミングで日銀は「追加緩和」を決定、開始しています。それでは、FRBがせっかくQEマネーを断って株や債券不動産の各市場の過熱感を少しずつ和らげようとしていたのに、日銀政策由来の超低金利マネーがさらに市中にあふれ、結果としてこれらを買い支えてしまうので、上記バブルの膨張が止まらず、FRBの所期の目的の達成ができなくなってしまいます。そのあたり、日銀政策の「本当の目的」に基づけば、日銀は同マネーを供給することで米金利の上昇を抑制してあげようとした・・・みたいに思えますが、その「本当に本当の目的」は、アメリカをバブルでさらに熱狂させ、国家も家計も借金漬けにして、金利上昇への耐性をいっそう弱らせて、相手から勝手に・・・ということなのでしょう・・・(?)

 そして「いま」があるわけです。すなわちアメリカのバブルは、こちらの記事に書いたローレンス・サマーズ元米財務長官のワードを借りれば「恐ろしい」(scary)くらいに膨らみ切ってしまいました。そしてインフレは高進し、昨春以降は、かの国の実質金利は完全なマイナス圏に没入してしまいました。にもかかわらず―――これほどの超低金利であるにもかかわらず―――FRBは同没入状態を放置せざるを得ない・・・って、それほどまでにアメリカは金利上昇に「我慢強く」(patient・・・って、FRBが体面上?しきりに口にするワード)あることができなくなってしまいました・・・

 そんな「いま」こそ、「本当に本当の目的」に沿って日銀が想定したアメリカの光景に限りなく近いものといえるでしょう・・・

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【円安・原材料インフレに対する批判はアメリカ支援の停止要求と同義…】日銀:原材料インフレの張本人⑤

2021-11-03 13:10:32 | 日本
前回からの続き)

 日銀の現行金融政策(長短金利操作付き量的質的金融緩和)の「本当の目的」は「アメリカ支援」・・・。これ、本ブログでは何度も指摘してきたことです・・・が、いまくらい同政策がアメリカのサポートにおいて求められているときはないでしょう。前述のとおり、ドル米国債は現在、完全なマイナス利回り通貨・国債に堕ちてしまいました(そして以前記事でも書いたとおり、そして後述するように、プラス圏への浮上はもう二度とないでしょう?)。ということは内外の投資家・・・はもちろん、当の米国民ですら、それを持つインセンティブを失ってしまったわけです(その価値は物価に対して劣化していくばかりだから、米国民らは一刻も早くドルや預金をモノ[紙おむつ、ガソリン、不動産など]に替えないと!ということです)。だからといってその状態を放置したままなら、誰も米連邦政府をファイナンスしないから金利は急騰して同財政は破綻・・・となる。そこで日銀が前述したスキームでこれを支える、という次第です。そんなことができるのは世界で唯一、日銀(≒実質金利が世界一高い日本の経済力)だけですからね・・・

 そのあたり、これまた繰り返しですが、こちらの記事に書いたゆうちょ銀行の預入限度額の大幅な引き上げも上記目的に沿ったものと考えるべき。すなわち、国民のマネーがさらに、ゆうちょ銀の貯金に流入→ゆうちょ銀は当該マネーで米国債購入(アメリカをファイナンス)、ということ。上記のように米国債の実質利回りはマイナスだから、この投資、元本割れリスクに満ちています・・・が、日銀がいっそう低金利に誘導して円安ドル高になれば、円建てではあたかも多くの利息が付いたように思えるわけです、ドル建てでは実質マイナス利回りであっても(本当はインフレに負けて損をしているにもかかわらず)。もちろんそんな逆ザヤ投資、民間の金融機関は、株主等の目があるので、手控えるでしょう。だからこそ本邦政府は「国営銀行」にそうさせるわけです。それは・・・中国の銀行が共産党幹部が関与する不採算プロジェクトに平気でカネを融資するのと実質的には同じです・・・って、どちらもそんな投融資で損害を食らっても(ゆうちょ銀の場合は巨額の債務超過が発生して貯金者へのペイオフ以上の払い戻しができなくなっても)経営者は責任を負わず、財政資金とかで尻拭いすればいいわけですから・・・?

 といった次第の日銀の現行政策・・・であれば、それがもたらす原材料インフレ、そしてそれをさらに加速させる円安ドル高に対するネガティブな見方が、この国の誰の口からも語られないのも分かるというものです。このあたり、以前の記事で「円安」を独裁者に擬人化したことがありますが、まさにその通り、この瞬間の円安様はさらに独裁色を濃くしている印象です。それは・・・上記のように、円安様への疑問や批判はイコール日銀の上記政策の引き締め方向(インフレ抑止)への転換要求、つまりアメリカ支援をやめよ!と同義となるので、絶対にNG?という意味です、とりわけいま・・・

 そんなことでアメリカは、こうした日本・・・の日銀の支えで現在、かろうじて持ちこたえている―――具体的には、実質利回りがマイナス1%程度もの高い!?水準を維持できている―――わけです・・・が、その金利の「高さ」は、またもやもはや限界でしょう。そして・・・これほど低い金利水準でも我慢ができないくらいにアメリカ金利上昇に対する耐性を失わせたのもまた日銀ということになります。そこに日銀の現行政策の「本当に本当の目的」が見出せるわけです・・・?

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【いまほどアメリカが日銀支援を必要としているときはない】日銀:原材料インフレの張本人④

2021-11-01 00:03:35 | 日本
前回からの続き)

 日銀の現行金融政策(長短金利操作付き量的質的金融緩和、俗称「異次元緩和」)の「本当の目的」はアメリカ支援―――これ、本ブログでは何度も指摘してきたことなので詳細は省きますが、端的には、日銀が国債を高値で買い上げて名目金利を引き下げることで、日米の金利差を大きくして対米投資(とくに米国債投資)のインセンティブを高めてジャパンマネーにアメリカをファイナンスさせよう、というものです。

 これもしばしば書いているように、巨額の双子の赤字を抱えるアメリカの国家的弱点(他国に依存しなければならない点)は「金利」であり、これが顕在化(金利急騰→金融システム崩壊→財政破綻→ハイパーインフレ等)しないようにするには外国(具体的には経常収支が黒字等で対外投資力のある国)に出資してもらう(国債を買ってもらう)必要があるわけですが、他方で慢性的な経常赤字体質のアメリカの実質金利(=名目金利-インフレ率)はどうしても低くなるので、同黒字で同金利の高い日本からすれば、対米投融資は経済合理的なものにはなりません。となると日銀としては、市場原理に反してでも(中銀本来の目的=インフレファイトを放棄してでも)?次のようにしたくなるでしょう。すなわち・・・日米金利差を政策意図的にさらに拡大することで円売りドル買いを促し(為替の円安ドル高を現出させ)、円建て原材料物価を吊り上げて輸入インフレを起こして本邦実質金利を引き下げ、対米投資を煽り立てよう、といったあたりです・・・

 こうした日銀政策の「本当の目的」が分かると、政府・日銀・マスコミ各社が、インフレの理由については、コロナ禍からの回復期待で原油需要が高まった、などと、そして円安ドル高については、原材料価格の高騰を受けて資源国通貨が買われているから、などと語ったり報じたりする理由が見えてくるというものです。そうやって現下のインフレの原因があたかも外国等にあるように思わせ、その「真犯人」(原材料投機・円安ドル高を扇動)に注がれるべき国民の厳しい視線を何とかそらしたい、というのでしょう。前述のように、もし国民がインフレの真因に気づいてしまったら、大半がインフレで苦しめられているわけですから、日銀は国民の反発を受けて現行政策の軌道修正(引き締め)を余儀なくされかねません。そうなれば・・・上記のマネーフロー(日→米&世界)が止まる・・・どころか逆転(米&世界→日)してしまって、アメリカをファイナンスできなくなってしまうかもしれませんからね・・・

 で、そのアメリカですが・・・以前から日本に上記のようなかたちでサポートしてもらっているわけですが、いまほど日銀の支援を必要としているときはなかったでしょう。なぜなら、遅くとも昨春以降、アメリカの実質金利は明らかにマイナス圏に没入してしまい、もはやドル米国債への投資理由が消滅してしまった(金利のつかないモノ[原油等]を買った方がマシとなってしまった→インフレを制御できなくなりつつある)なか、現状、これらを買い支え得るほとんど唯一が日銀政策由来の上記マネーだからです・・・

 ・・・となれば日本・・・の日銀・政府・メディアも、かつてないほど必死でしょう。その様が上述の発表や報道等で露わになっているというものです。このあたり、さすがに「アメリカ様を支えるためだ、だからガソリン代が高くなっても、実質賃金が下がっても我慢しろ!」なんて本当のこと?は言えないでしょうからね・・・

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