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【米国債投資の成功がトホホって、なぜか?】ゆうちょ銀の預入限度額倍増が暗示する「戻り地獄」の悲惨さ⑤

2019-04-07 00:03:22 | 日本

前回からの続き)

 前回まで、今月1日から預入限度額がこれまでの2倍に当たる2600万円に引き上げられた「ゆうちょ銀行」そして同行と同じ政府系金融機関・・・というより政府系ヘッジファンドの「農林中金」は、アベノミクス政府の前述2つの目的―――円安株高維持&アメリカ支援―――達成の実行部隊として、この極端ともいえる円安ドル高局面で米国債を大量に「高値掴み」し、これがもとで巨額の評価損を抱えて債務超過に転落し、結局は国民がその救済資金の負担をさせられるだろう、といった私的な見通しを書きました・・・

 「ふ~ん、でも、名目上の利回りは日本よりもアメリカの方が大きい(現時点の長期金利は日本が0%でアメリカ2.5%ほど)から、ゆうちょ銀のドル・米国債買いが合理的ではないとはいえないのでは」たしかにそうですね、米国債投資がその狙いのとおり、利益をもたらしてくれる投資になれば、同行が経営危機に陥ることはないでしょうから、わたしたちが税金を余計に払って同行を救う事態は免れそうですね・・・

 ・・・けれど、それには絶対的な条件が必要になります。つまりそれは、ドル円レートが最低でも現時点と同じか、ドル高円安にならなければならない、というもの。では現在の同レート(1ドル111円ほど)がもたらしている日本経済≒GDPの現状はどうなのか?ですが・・・これ、さんざん本ブログで書いているとおり、アベノミクス開始直前の2012年と比べると何と!20%あまりも減少してしまっているわけです。そして国民の金融資産額も同様です。一見、大いに増えている・・・ようですが、こちらの記事でご紹介のように、じつは7年近くも前のアベノミクス前からほとんど増えていない、いやむしろ減っているともいえるわけです。これらのトホホな状況に至った元凶は、「現状のレート」すなわちアベノミクスが意図してもたらした超過剰な円安ドル高レートといっても言い過ぎではありません・・・

 上記を踏まえると、ゆうちょ銀が米国債投資で成功を収めることができる状況では、わが国の実体経済が現状のとおり低迷し、わたしたちも豊かになった実感を得られない、むしろ輸入インフレ等で暮らし向きが悪化することは明白です。ちなみに昨年の日本のGDPは約5.1兆ドル。アベノミクス直前の2012年の同約6.2兆ドル(戦後最高値)から1兆ドル以上もの人類史的な激減です。であれば、大昔(?)に達成済みの2012年水準値に回復するだけでも、いったいこの先、どれほど長い年月がかかるというのか・・・と、ため息が出てしまうわけですよ、ゆうちょ銀の米国債投資でプラスリターンが出るほどの超~円安レートならば・・・って、まず不可能でしょ1兆ドル超ですよ?

 以前こちらの記事に、アベノミクスは「進むも地獄、戻るも地獄」と綴りました。前者はこのことを指します。要するに円安誘導を続ければ本邦実体経済は衰退の一途をたどり、国家国民まで弱体化していくということ。そして後者は本稿で書いているようなこと、つまり、(日銀「異次元緩和」縮小・停止等 and/or 米FRBのQE再開等により)本来のドル円レートへの回帰で、あちらこちらにアベノミクス的「高値掴み」がもたらした評価損・含み損が発生し、国民全体が増税とか年金カットなどのかたちでその尻拭いをさせられる、ということ。まあ、その際は・・・さすがに、ゆうちょ銀の経営者等は責任をとって辞めさせられるのでしょうが・・・っても各位、退職金は満額ゲットでしょうね・・・(?)

(続く)

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