(前回からの続き)
前回書いたように、足元の金(ゴールド)の円建て価格の上昇は、わが国には、やむにやまれぬ事情―――金利上昇を引き起こす要因―――なんてないのにもかかわらず日銀が本来は不要な通貨増刷をやっている結果といえるでしょう。
となると・・・日銀が現行の金融政策(俗称「異次元緩和」、現在の正式名称は「長短金利操作付き量的質的金融緩和」)を維持(あるいは強化)し続ける限り、その価格は上がり続けるだろう、と考えるものです。これも前述、そして本ブログでシツコク指摘のことから、もはや米ドルの大量散布は止めどもない(米FRBがインフレを抑制することは不可能となっている)わけで、そのヘッジとしての金の価値は高まる以外にないところ、円も大きくはドルに対して高くならないように日銀が政策的な操作を行うために、結果として金の円建て価格は当面、上昇していくだろう、という予測です(投資等の判断は自己責任でお願いします)。
以前、こちらの記事で、円のリスクヘッジは金でしかできない、と書きましたが、非常に残念なことに?現状はまさにそのとおり、ということですね。「非常に残念」というのは、上記のとおり、そして、くどくて恐縮ですが、こうした事態―――金価格のこれほどの上昇を招くほどに円が弱くなって国民の大半がガソリン代などのインフレに苦しめられる事態―――は、もともと不必要・・・どころか日本の実体経済には超マイナスでしかない日銀の上記政策によってもたらされたため。またドルでヘッジできないのは、いまのアメリカの激しいインフレ(直近のCPIベースだと実質金利で年マイナス5%前後!?)をみれば明らか過ぎるでしょう。かくして、アメリカ・・・はもちろん日本においても、金の「輝き」は増していくことになりそうです・・・
・・・って、つまりはそれに正比例する形でインフレがさらに進むだろうことを意味します。よって、金の実質価値は、見た目の増加額ほどは上がらない・・・でしょうが、インフレ分を差し引いても、なお高まっていくほかないでしょう。なぜなら、ドルやユーロ・・・ばかりか円をも含む全世界の(不換)通貨の価値がいま、総崩れしつつある(インフレになる)なか、その価値を保持させるべき万国共通の「通貨」は、昔も今も、金だけ、だからです・・・(っても、金のほかに、最近ではこちらの記事に書いたようにビットコイン[などの一部の仮想通貨]にもそのポテンシャルがあると考えていますが・・・)