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【米社会の分断、インフレを望む者と嫌悪する者との対立、ということ】日銀:原材料インフレの張本人⑦

2021-11-07 13:24:30 | アメリカ
前回からの続き)

 ご存じのようにFRBは、先日のFOMC(FRBの金融政策決定会合)で、現行の量的緩和の縮小、いわゆるテーパリングを決定しました。毎月1200億ドル買い上げている米国債と不動産担保証券の買い上げ額を今月から150億ドルずつ減額し、来年半ばにはこれをゼロにするとのことです。となると、常識的には、債券価格は下がり金利は上がって・・・資産・借金バブルは縮小に向かい、現在、米国民を締め上げているインフレも収まる方向に・・・?

 ・・・と思ったら市場のレスポンスは真逆でした。米長期金利は1.4%まで下がり(米国債価格は上がり)、原油価格はむしろ上昇し、株価はダウ平均株価・NASDAQのいずれも史上最高値に達しました(5日終値)。ということで「双子のバブル」(債券と株のバブル:本ブログ造語)がさらに膨張しています、FRBがテーパリングするって言っているにもかかわらず・・・?

 このあたり、本ブログで何度も指摘しているように、市場は見透かしているわけです、つまり・・・FRBはもはや金融引き締めなんてできず、ドルを刷りまくる以外にない、ってことを。事実、先日のこちらの記事で、現在のアメリカは長期金利でいうと1.6%くらいが限界のようだ、と述べましたが、今回もそのとおり、FOMC後、金利上昇はこの「天井」に跳ね返されてまた下がってきたわけです。ようするに、いまのアメリカのバブル経済が耐えられなくなる長期金利のレベルがそのくらい、ということです。まあそれを踏まえて誰かが国債を買ったのでしょう・・・(って、誰?こんな「逆ザヤ投資」しているの)

 そのへんで今回もう一つの注目はゴールド)の価格です。金はこの数か月、1トロイオンス当たり1800ドル付近を上限に小動きしていた印象ですが、FOMC直後にいったん1760ドル台に下落したものの、すぐに上昇に転じて1800ドルラインを突破し、5日の終値は1820ドルになりました(NY金先物価格)。金は金利が付かない資産だから、上記テーパリングで金利先高観が広がれば、その価格は下がってもおかしくないはず・・・ですが、実際にはこうして上がっているわけです、まるでその逆を想定しているかのように・・・

 上記の各マーケットの動きからアメリカで今後、予想されることは・・・やはりインフレは抑えがたい(FRBにはインフレ抑制は無理)・・・どころか、いっそう激しくなるしかない(FRBは実質金利のマイナス幅を大きくするしかない)、ということ。そしてそれが、一般の米国民の経済生活をさらに悪化させ、社会のさらなる分断化を進めることでしょう。その意味で「Divided USA」とは、インフレを望む者(一握りの、QE由来の超低金利ローンのレバレッジでリスク投資の利ザヤ稼ぎ等ができる人々)とインフレを嫌悪する者(大多数の、左記ができない人々)との間の対立、ということができるかと思います。

 そして・・・そのあたりこそ、前述した日銀の現行政策の「本当に本当の目的」―――アメリカインフレで自壊に持ち込むこと―――であって、上記の市場の反応は、その達成が間近いことを知らせてくれている、と考えています。

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