(前回からの続き)
前回、「アベノミクス日本」の国営ヘッジファンドである「ゆうちょ銀行」と「農林中央金庫」(これらに加えて、おそらく公的年金基金)は、米レポ市場での金利上昇を食い止めるためにも、いま怒涛の勢いで米国債を買っているものと推測されます(?)・・・が、先述した状況から、これスゴ~い高値掴みになる可能性が大で、やがてこれらは上記金融機関の自己資本を軽く吹き飛ばすほどの巨大評価損を発生させ、その尻拭い(資本注入等)を国民がさせられる破目になるでしょう・・・
それほどの「犠牲」を払ってでも、アメリカを支えたい!というのがアベノミクス日本の表向きの?意向なのでしょうが、ではこれでうまくいくのか―――アメリカの金利上昇とインフレ圧力を抑制できるのか―――って、上記でもふれたように、やはり無理でしょう。先述したドナルド・トランプ政権の財政放漫的スタンスからみて、日本が買い増す以上の米国債をアメリカが振り出してしまうのは間違いなさそうだからです。したがってQE(量的緩和策)の再開は不可避であり、これが「This time is different.」(今回は違う)といわれる事態を引き起こすことに・・・?
・・・って、このあたりにアベノミクス日本の裏の目的を勘繰るわけです。つまり、これらの記事等に書いたようなこと―――アベノミクス≒日銀の金融政策「異次元緩和」によってアメリカをサポートするかのように見せかけつつ、極端なドル高円安を演出してジャパンマネーが対米投資に回らないように仕向け、同国を流動性危機からQE要するにドルの無限増刷に追い込んでハイパーインフレを発生させて・・・みたいなことです。
実際、上記のとおり、まさにそうなりつつある?し、いっぽうの日本の側には、本来ならば世界最強の投資力を有する「円」のキャッシュがアメリカへの出動機会を失って?積み上がるばかりです。この円貨の山、アベノミクス政府や日銀の想定外なのでしょうか?・・・って、そのはずはなく、はじめから想定の内と考えるのが自然でしょう。というのも各位ほどの頭脳の持ち主なら、そんな初歩的な見込み違いをするはずがないためです。市井の1ブロガーに過ぎないわたしでさえ、以前から「円>ドル等外貨」(実質利回りの高さ)を示すこと等によって、こうなる―――本邦投資家は日銀に日本国債を高値で売ってキャッシュを得ても、これを実質利回りで円に劣るドル等外貨にそうは投資できないから結局キャッシュ(≒日銀当座預金)でホールドするしかなくなる―――という予測を書いてきたのですから。
もちろんメディアに「政府・日銀が想定を外した」みたいに報じられるのも想定内だし、むしろ歓迎でしょう(?)。それによって各位の真の意図をアメリカに見破られるリスクが減るためです。会見等で「経済金融のプロなのに予想できなかったのか?」と問われても、所期の目的を成し遂げるため、エコノミストとしてのプライドが傷つくところをぐっとこらえて、こう答えます―――「そう、誤算だった」・・・
以上、アベノミクスにはこのような非常におそれ多い狙いを感じるものです。「っても、ゆうちょ銀や農中に米国債を高値掴みさせているんじゃなかったの?」そうでした。これにともなう上記「犠牲」もこの壮大な計画?の一環で、間もなく起こる?アメリカ・・・のみならず日本以外の世界各国を巻き込む金融恐慌で日本が「独り勝ちし過ぎる」ことを回避しようというのではないか。「日本も大手金融機関(ゆうちょ・農中)が(ドル等暴落で)経営危機に瀕するほどのダメージを被りました~」と嘆いてみせることで、諸国から理不尽な恨みを買わないように・・・?