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【円建てドル建て双方でのプラス達成をめざせ】いつまで続く「円安誘導」日本窮乏化政策⑦

2015-06-23 00:01:21 | 日本

前回からの続き)

 以前から本ブログで、「アベノミクス」つまり円安誘導を推進する日銀の金融政策「異次元緩和」のことを、黒田日銀総裁のお名前にちなみ、黒田魔術、略して「黒魔術」と表現しています。これは、実際は損をしているのに見た目の数字を良く見せることで、得をしたような気にさせる幻覚のことをいうのですが・・・

 いかがでしょうか。先述の日本のGDP・経済成長率、そして家計金融資産のアベノミクスのビフォー・アフター比較はまさにその黒魔術のとおりの結果になっているとはいえないでしょうか。たしかにいずれの数値も(さえないながらも少しは)上向いているように見えます、「円」建てでは。しかし・・・世界の共通基準である「ドル」で測るとどれもドーンと大暴落! これを金額に換算すると数百兆円規模の超マイナス・・・。わが国はアベノミクスのたった2年間でこれほど巨大な価値を失ったことになるわけです。

 上記にともなう損失は円安インフレ、消費の低迷、実質賃金・年金受給額の低下、エンゲル係数の上昇、子どもの貧困深刻化(これに一番、胸が痛む・・・)などなど、さまざまな生活苦のかたちで国民の暮らしに暗い影を落としていくでしょう。日本の防衛力弱体化の一途です。それでもわたしたちは激しい痛みの根源としてこれを意識することはありません。というのは人々が黒魔術にかかっている―――「」だけを価値の「物差し」にしていて(させられていて)、上記ダメージに思いが至らない―――ため。

 このあたりは安倍政権・黒田日銀、そして経済学会やメディアがアベノミクスのパフォーマンスを国際比較しないこと、つまりドル評価をあえて見せようとしないことにも大きな原因があると考えています。もちろんそれは、そんなことをしたら黒魔術がネタバレしてしまう―――円安誘導が日本のGDPも個人資産も激減させている様子が誰の目にもはっきりとわかってしまい、アベノミクスへの不信感が喚起されてしまうから。こうして日本人は、まるで「ゆでがえる」のように、自身が置かれた危機的状況の本質に長いこと気づかされないまま、ますます窮乏化していくことに・・・

 こんな黒魔術に惑わされ続けていては日本のじり貧は必至です。わたしたちは一刻も早くこの呪縛から脱し、本来歩むべき真のプラス成長路線に回帰しなければなりません。で、その際に掲げるべき旗印は・・・「円建て及びドル建て双方でのGDPおよび国富の拡大」だと信じています。そのわけはこれまで長々と綴ったとおりです。もし現行の「インフレ年率2%達成」がこちらに変更されたら、自ずとアベノミクス、そして日銀の金融政策は大転換を迫られるでしょう。なぜなら論じたように、これらでは「ドル」建てのプラス成長等の確保は、まず不可能だからです。これで黒魔術は封印され、光が戻って、わが国の進むべき進路が見えてくる・・・

 ・・・といったことを切に望む次第です、が・・・当面はこれが実現する可能性は低いでしょう。「円安、すなわちドル高はいいことだ!」の大合唱(=「円高、すなわちドル安のメリットは言わせない!」)から推察できるように、アベノミクスそして日銀「異次元緩和」の本当に本当のねらいはコチラにあるためです(???)。それでも・・・きっと日は差すでしょう。いまの世界金融秩序はどうみても長くは保ちそうもありませんからね・・・

(「いつまで続く『円安誘導』日本窮乏化政策」おわり)

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