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【日本のほうが中国よりも有利な立場にある】中国との関係改善を急げ④

2016-07-27 00:04:21 | アジア

前回からの続き)

 こちらの記事とか本稿の2回目などに書いたとおり、今後のアメリカは、大統領が誰になるかに関わりなく、もはや日本などの同盟国を守るための歳出を大きくカットしていくしかないでしょう。双子の赤字」(貿易赤字&財政赤字)体質の改善がまったく進まないばかりか、アメリカはこの先「双子のバブル」(株&債券)崩壊にともなって金融システム救済に桁違いの巨額公的資金を準備しなければならず(って、実際にはこれに耐えられないものだから、FRBQEを通じた永遠のバブル膨張策しかないのだけれどね?)、とても「世界の警察官」を続ける余裕なんてないわけです。わが国にとってこれは、日米安保のガードが日増しに弱体化していくことを意味します。

 そんな微妙な情勢のなか、わが国はいつまでも中国に敵対的な姿勢を取り続けるべきではないと考えます。本来は中国の脅威から日本を守護すべきアメリカの軍事的退潮ぶりは避け難いし、何よりもそのアメリカ様自身が日本・・・よりも中国(のマネー)にベッタリだからです。やはりわが国はアメリカのパワー低下を冷静に見極め、自分の身は自分で守る、という当たり前の国是に立ち返り、現時点で第一の仮想敵国である(?)中国との関係改善を、好き嫌いの感情等を乗り越えて進めるべきでしょう。

 ・・・だからといってわが国は中国に「すり寄る」必要なんてまったくありません。なぜなら日本はいま、中国(ばかりか欧米を含む世界各国)などよりもずっと有利な立場にいるからです・・・って、軍事力などではなく、経済状態や通貨・金融の面で。ようするに前稿で綴った「金>円>他通貨(ここでは、人民元)」ということです。

 先述、そしてこちらの記事で書いたように中国もまたアメリカと同じようにバブル崩壊から資産デフレへ向かう局面にあり、今後、金融システム内の過剰不良債権や国営企業・地方政府が抱える過剰債務にメスを入れざるを得ません。だからといってマトモにこれらに切り込んだら「貸し渋り」「貸し剥がし」「リセッション」「デフォルト」「失業の増加」等で社会不安が高まり、やがて中国大陸のあちこちで反政府運動が起こって共産党体制が危機にさらされてしまう。中国支配層にとって、そうした自国民の反乱こそ、アメリカが南シナ海で展開中の「航行の自由作戦」なんぞよりもずーっとコワイ事態・・・。

 ・・・といったあたりがいまの中国の置かれた厳しい状況でしょう。端的に言えば、同国もまたアメリカ同様、国内の不満分子の抑え込みに手いっぱい(?)だということです。そのあたり、バブル清算を終えている日本には中国の「足元を見る」ゆとりがありそうです。というわけで同国との関係修復に向けては、わが国は「苦しいのは相手のほう」という「上から目線」的な意識を隠し持ちながら、上位者の余裕で中国に貸しを作る、といったビジョンを描けるのではないかと・・・

 ・・・そんな意味でも、繰り返しになりますが、アジアインフラ投資銀行への参加は日本にとってちょうど手ごろな対中融和策になると考える次第です。

(続く)

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