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【日銀「マイナス金利」は力不足、FRBはQE4躊躇で・・・】バブルのピークは完全に過ぎ去った④

2016-02-01 00:04:37 | 世界共通

前回からの続き)

 前述のとおり、債券バブルは2014年半ばに、そして株バブルはやや遅れて2015年終盤から崩壊(?)―――こうして債券と株の「双子のバブル」がそろって崩れ出すと・・・債券と株の価額低下→資産効果が剥落→これらの含み益や値上がり益を当てにした借金の多くが持続不能に、となるわけです。そうなったらこれまでアメリカ経済をけん引してきた個人消費は一気に冷え込むとともに、ローン返済に窮した多くの家計が住宅の投げ売りに追い込まれるなどの結果、不動産価格まで下落に転じ・・・恐怖の資産デフレの幕が開いてしまうことに・・・。これらの記事を含めて何度か書いているように、これこそアメリカが絶対に避けなければならない国家存亡の危機です。

 ではどうしたらよいのか?ですが、解決策は超簡単です。マーケットにふたたび過剰流動性を発生させればいい。前回までに述べたように、債券&株価急落の主因はQEマネーの途絶と回収、であれば両者の価格を回復させるにはその逆のQEマネー再供給を!という理屈になります。こうすれば「双子のバブル」再生は間違いなし!?

 しかし・・・FRBはQEの4たびの発動はさすがに躊躇するでしょう。というのもFRBは「もうQEバブル頼みはやめる!」という強い決意を市場に示してしまったからです。そのためのアクションが201410月末のQE停止であり、201512月の利上げ再開であるわけですが、それらの決定からほとんど時間が経っていないのにまたQE、となったら、アメリカはQEから脱却してみせる!なんて大見得を切ったFRBのメンツは丸つぶれ・・・。なのでFRBは、少なくとも短期的には金融政策の舵を緩和方向には切れない・・・せいぜいが先日のFOMC(FRBの金融政策決定会合)の決定のとおり、追加利上げの先送り程度しかできないでしょう。

 ・・・そこでかわりに登場する(させられる?)のが他国の中銀、とりわけ米欧中に比べて圧倒的にバブルのリスクが低い日本・・・の日銀です。具体的には、上記のように身動きの取れないFRBにかわって日銀が追加緩和でマネーを市場へ吐き出すということになるでしょう。が、こちらの記事も書きましたが、すでに限界を超えて(?)国債を買い上げている日銀には有効なベースマネー拡大の手はあまり残っていないはず・・・

 ・・・なんて綴っていたら日銀、とうとう「イナス金利」を導入!・・・って、本稿の文脈に沿っていえばこの真のねらいは上記のとおりで、日米の盟約に基づき(?)、日銀当座預金口座貯まる一方のマネーをドル投資すなわちアメリカの債券&株投資に振り向けさせようとするものでしょう。昨年5月、こちらの記事等で述べたように、ひたすら円安ドル高誘導に執着する日銀の次の手はFRBの利上げ時における同預金の「付利」(年0.1%)の撤廃とか引き下げだろうと予想していたので、今回の日銀の発表には「やはりな・・・」と思ういっぽう、一部とはいえまさかゼロを飛び越えてマイナス金利とは、といった驚きを禁じ得ません。

・・・しかし、これとて当初のサプライズだけに終わり、日銀の上記思惑どおりにいくことはなさそうです(?)。というのは日本の投資家にとって、マネーの適当な投資先が現状、日本国債しかないなか、ジャパンマネーがリスク市場に大量に向かうことは考えにくいためです(マトモな日本人なら現在、誰がドルなんて買いますか!?)。よって今回の日銀の追加緩和は邦銀等の利益を減少させるだけに終わり(?)、いまの世界的リスクオフをオンへ転換させるほどのインパクトのある「バズーカ」とはなり得ないでしょう(?)。まあ・・・以前から日銀の現行の金融政策「異次元緩和」は実体経済や国民生活に何らの恩恵も与えていないと考える立場から、「ホント、もういいかげんにしてほしい・・・」と嘆くことしきりですが・・・

 こうして日銀の追加緩和は期待外れに終わり(?)、いっぽうのFRBが自らのプライドにこだわってQEマネーを出し渋ると・・・当然マーケットから、正確にいうとハイリスクのジャンク債市場や株式市場からマネーがどんどん抜け、「双子のバブル」崩壊が急激に進むことになるでしょう・・・(!?)

続く

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