世界雑感☆新しい世界は日本から始まる☆

世界の激動を感じつつ、日本経済への応援メッセージを徒然に綴るページです。
ご訪問ありがとうございます。

【米中は濃密な相互依存関係にあると認識すべき】中国との関係改善を急げ③

2016-07-25 20:02:51 | アジア

前回からの続き)

 この国のメディアは何かと「日米 vs. 中露」みたいな冷戦時代の図式をいまだに描きがち。でも現実の世界はもっと複雑です。たとえば米中両国は、かつてのような全面的な対立関係にあるわけではありません。たしかに人権問題や南シナ海の国境線問題などを巡っては両者の意見が合わないようにみえます。しかし経済・金融・通貨の面では、両国は互いに必要とし合っていますアメリカは中国にドル(米国債)を買い支えてもらっているからこそ(軍事力を含めた)世界覇権を維持できているし、中国だってそのドルの信用に裏付けるかたちで自国通貨・人民元の国際的な地位向上を図っているのですから。このあたりは、日本が他国に頼ることなく自国の国債で円の信認を保っているのとまったく違うところです。

 もちろん中国は、多すぎるほどの米国債を抱えることでアメリカに恩を売りつつ、いっぽうでは「ウチに何か不利益なことをしたら、いつでも米国債を売り崩すからね」みたいな無言のプレッシャーを同国に対してかけているつもりでしょう。でも・・・資産バブル崩壊と国営企業等の巨額債務に対して、ポストバブル期の日本がとったバブル清算策(不良債権の抜本的処理、債務圧縮、経営者・株主・債権者責任の追及、などなど)がもたらす社会不安≒共産党体制動揺に耐えられない中国は、この正攻法によらず、結局は借金穴埋めのための通貨大増刷=インフレ策に走らざるを得ない・・・。そのとき、減価する人民元の信頼をかろうじて支えるのが、巨額の外貨準備=ドル・・・というわけで、ドルにすがる以上、やはり中国はアメリカとはケンカできない。こうして米中両国は、おカネが理由で離婚ができない仲の悪い夫婦みたいな(?)相互依存の関係を続けていくしかありません・・・(?)

 そんなふうにみてくると、今回冒頭のアメリカ対中国という構図が成り立たないことが分かってきます(?)。つまり日本にとっては「中国の脅威増大に立ち向かうために日米同盟をさらに強化するべきだ~」みたいな「アメリカにつく」という考え方も、「これからは中国の時代だから日本はアメリカと距離を置いて中国ともっと親密になるべきだ~」といった「中国につく」という発想も、正しいとはいえないということ。なぜなら双方とも、アメリカと中国が敵対し合っているという間違った前提に立っているから。実際の両国は上述のように持ちつ持たれつの間柄にあるわけです。であれば日本は、米中どちらかに加担することも、どちらか一方をむやみに敵視することなく、両国とバランスを取った付き合いを進めるべきでしょう。

 以前こちらの記事に、わが国は中国が設立を主導したアジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加するべきだと書いたのは、そんな理由からです。だからこそ、日本の将来のAIIB参加に道を開く(?)鳩山元首相の同行顧問への就任を個人的には前向きに捉えています。

続く

金融・投資(全般) ブログランキングへ


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【アメリカは日本防衛のコス... | トップ | 【日本のほうが中国よりも有... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

アジア」カテゴリの最新記事