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【個人資産大国・日本から、なぜ撤退?】米シティバンク日本撤退が意味すること①

2014-08-25 00:04:12 | 日本

 先日、アメリカの大手金融機関シティグループが日本で展開している個人向け銀行事業からの撤退を検討していることが明らかになりました。NHKなどの報道によれば、シティは傘下で個人業務を扱う「シティバンク銀行」を売却する方針を固め、すでに3メガバンクを含む邦銀数行に営業譲渡を持ちかけているとのことです。一方でシティは今後、法人業務に特化し、日本に進出する外国企業や日本企業向けの融資等を充実させる、としているようですが・・・。

 最近の世界的な「リスク・オン」モードのなか、欧米の金融機関は世界各地のあらゆるマーケットに進出して投融資を活発化させている印象がありますが、わが国に限ればむしろその逆となっている感じです。今回のシティもそうですが、ここのところ有力な外資系銀行の日本からの撤退が目につきます。すでに欧州最大の銀行HSBCや英スタンダードチャータード銀行が富裕層向け事業を外銀他行に売却するなどして日本を去っています。

 それにしても・・・1600兆円以上(今年3月末時点の家計金融資産残高:1630兆円!)もの莫大な個人資産のあるわが国から、つまり本来ならプライベートバンキングのチャンスに溢れているはずの巨大マーケットから、いったいなぜこれら外銀は次々と出て行ってしまうのか・・・。

 「外銀の日本離れの原因は、日本の金融ビジネス分野における独特の規制や取引慣行にある」―――日頃、日本のマスコミ報道に接していると、ついこんな勘違いをしてしまいそうですが、けっしてそういうわけではありません。いちばん大きな理由は、当たり前のことですが、彼らが多くの顧客に支持されるほどの魅力的なサービスを提供できなかったから、つまり日本人(個人)が満足できる運用利回りを確保できなかったからでしょう。そんなことではわが国の個人投資家は彼らをパートナーに選ぼうとはしませんね。

 そして外銀がわが国で十分な運用パフォーマンスを発揮できないのは「もっともなことだ」と思っています。なぜなら、日本人相手の商売をするにあたって、彼ら外銀ははじめからハンディを背負っているからです。で、そのハンディとは・・・「円>ドル>ユーロ>新興国通貨」(通貨の強さを示す不等式:実質金利の高い順に並ぶ)のもと、「円」よりも実質の利回りが低い「ドル」等を元手に、「円」以上の運用実績を上げなければならない、ということです。

(続く)

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