すこし面倒な話をする。
今回プリの調整をするに当たって、結構な回数の抵抗交換と電圧測定を繰り前した。24回!
上は内部抵抗rp3.1kΩから下は2.55kΩまで。色々電圧を振って計測してみた。
真空管のrpとOPTのインピーダンスRLは、同じ値に合わせると伝送効率が良い。という考えと、グラフよりRLを選定する、という二つの考えが有る。
私は今回この2つの中間と思われるところに合わせた。
rpとRLを近づけると純・ピュアな音になるが力感がイマイチ。なので電圧をあげ、電流を入れてやる。
これでスイートスポットを探る。今はこんな感じ。
試しに設計者の那須氏の定数でrpを算出してみたが、2.98kΩとなってしまった。設計では3.6kΩ程になると有ったのだが。まあ、那須氏は巻線比の高いOPTで二次側のインピーダンスをさげ、さらに補正してある。そして接続する機器はアンプでは無くスピーカーのネットワークであり格段にインピーダンスが低い設定となっている。私の目的とは違う。おかげでエラい苦労した。
今思うと、なんとなくしっくり来ない気がしてたが、トランス伝送なんてこんなもんだろう、そう思ってた。
結局は、電流値を増やし、プレート電圧値を下げながらrpを下げるという作業になり、プレート電圧は那須氏の設計値に近くなった。接続する機器が違うので当たり前だが、最初、ほんの一週間前はそんなことも思いもよらなかった。
5687のE-I線図よりRLを求める方法が一般的の様である。
しかし、あれは、ここからここまで、というある真空管の使用可能範囲でどこに決めるか?という漠然としたもののように思う。それにもし真空管のrpが3kΩとして、それに7kとか8kΩとか、高めに取ると、スピーカー等二次側のインピーダンスは下がってしまうのでは?と考える。
ここで有る疑問を確認する。
バイアス電圧ってナニ?
例えば5687のE-Iグラフの斜めの線、これがどれくらい動くの?そしてそれに合わせてプレート電圧ってどのくらい変動するの?
これには信号を振って測定する必要がある。ならついでに歪を測ってみよう。
一番下の薄いのは那須氏の物。その上のV字に近い薄いのは前回の物。その上の鶯色:10k、赤:1k、青:100Hz。となった。前回より悪いのは、電圧下げて・・・無いな。何だろう?横軸入力1V以下はインチキだな。
出力電圧基準で歪を100Hz、1kΩ、10kΩで測定するが、出力電圧は0.5V~10Vまで振る。実際10Vなんて出力したらうるさくて聞けないと思う。CD出力が最大2Vp‐pとして、実際は0.5V程と思っている。
この時、バイアス電圧=カソード電圧を同時に測っていた。
結果は8,98~9,34V。振れ幅0.36V。え?こんなに小さいの?
バイアス電圧0Vの時は199V(実測)、バイアス電圧9.34Vの時195V(グラフより)。
ええ~?思ったより小さい。ほとんど振られてないじゃん。
なんかツマラン。
ついでに出力インピーダンスを測っておく。
1,000Ωちょっとで、前回の1,080Ωからは少ししか下がらない。見づらいが黄色線。
この時の5687のrpを逆算したら、4,196Ω、4,500Ωなので、測定値より計算したrpは2.61k、2.9kΩだったので、下がった分のインピーダンス(約300Ω)は近いんだけどな~、絶対値が全く違う。この辺が解析出来たらもう少しカシコくなれんだろーなー。
プリに関してはやるだけのことはやった。満足。
後はデカップリングコンデンサーから長々と引っ張ってる配線を何とかしたいなぁ。左右も分けたいし。
ま、この辺はやることなくなったら、になると思う。