もう一度確認のため、電圧を測ってみた。すると、出力管のカソード電圧がおかしい。片方が上がり、もう片方はそんなに上がらない。ありゃりゃ、またか。
またか、ってこないだ起きてからいくらも経ってない。前回は真空管の不良と思ったが、早すぎる。なんかおかしい。
カソードに電圧計を当てながら信号を入れていくと、電圧がゆらゆら動く。±3Vくらいか。
この件、少し考えた。
前回は異常が有った後、真空管を新品に替えたはずだ。
その後そんなに経ってないので今回の異常は真空管が寿命とは考えづらい。プレート損失は計算法が間違ってたので全くの余裕だ。
なんでだ?発振か?とも考えるが、原因などが全く分からない。なんで今頃出てくる?という疑問が出てくる。
おしえてgooに質問して見た。
今回は丁寧に教えてもらった。時に嫌味を言いながら説明する奴がいる。
発振とのこと。電源等の電解コンデンサの容量抜けを疑ってくださいとのこと。
コンデンサ・・・時定数かな?後で解ったことだが、電源のレギュレーションが悪くなると出力段で振られた電圧が初段に影響し発振するらしい。そのことを言っていると思われる。
そういえば電源のコンデンサは100μFを三つ使っている。みな新品だが、念のため容量を測ってみた。
一割増だが、問題ない。
とすると、NFBを一回外してみよう。電圧・歪を測ってみたが特に変わりない。むしろ、調子悪いこのLchの方が歪が少ない。
ただ、入力0.299Vacで最大出力がでる。しかも歪はそんなに変わらない。なんで?NFBって歪下げるんじゃないの?
一旦これで音出ししてみる。感度が良くなったはずなのでヴォリュームを少し上げただけで爆音になるかと思ったが、カソードパスコンを付けてないのでそんなにひどい爆音にはならなかった。発振しててツィーター飛んだなんて怖いのでARを使う。こいつは能率が悪そうだ。
とりあえずLchのみ。
音出し。何だこりゃ。もしかして音良くね?今までは、なんか低音がなんとなく鳴ってる、というのだったがくっきり鳴り出した。
もう片方も鳴らしたが、音量が小さい。そして中高音がちぐはぐ。NFB有り無しで位相がめちゃくちゃな感じがする。
RchもNFBを外す。
なんてこった。凄い音が出た。いままで何という音を聴いていたんだ?
今までの音は、それでも一般の音よりは良いという。
一個一個の音の輪郭が揃った。今まではにじんでいた。
低音も変わった。今までは中音は像がきりっとしてるのに低音は靄もやだった。それが中高音と低音が揃った。低音の音像が分かるようになった。以前聴いたオンキョーM506を思い出す音。
問題なさそうなので、DS-3000を繋いだ。
なんてこった二回目。やっぱり先ほどの音は気のせいではなかった。
爆音を出してもうるさく無い。
音が解放された。そのまま出てきた、そんな感じだ。今までは人造人間、今回は生身の人間、そんな感じ。もしかしたらカソードパスコンを付けてもそんなに悪くならない気がする。
音色以外もトランジスタといい勝負になると思う。
もしかしたら今までのシステムではパワーアンプのおかしさが分からなかったのかもしれない。
そんな音を聴いてたのかと思うとぞっとずる。
良い音だ、と言っていた自分が恥ずかしい。
線が細かった、うるさい、とかいうのはもしかしてそういう事なのか。
そして音量を上げても息切れしたように音量が上がっていく感じも無い。これがプリを見直そうと思ったきっかけでもあったのに。もうこれでいいかも?
やはりオシロを使えるようにならなければ。
そしてNFBと発振についてもう少し勉強しよう。
それから昨日の12AX7の動作点、計算してみた。
0.775Vの入力は、0.775×2√2=2.2Vp-pとなる。12AX7の出力を大体11Vとすると5倍=14dB。
12AU7は、11Vを60Vに増幅だから5.5倍=14.7dB。
μの違う真空管でほぼ一緒の増幅か。どうなんだろ?
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