analog player & Vacuum valve amplifier (Electron Tube Amp)

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EL34PPmono 調整38 ACの測定

2019-05-30 00:02:02 | MfD‐4 (Mullard)

300Bアンプを測定したので、同じようにEL34PPmonoも測定してみた。

その後トランジスタアンプにして愕然としたこと、それは音量を上げてもうるくないことだ。それでもう少しEL34PPmonoを調べてみようと思った。

 

まず、真空管を合わせる。

出力管がミューラードの方、Rchを使い、12AX7と12AU7がJJの銘柄で一本ずつ取れたのでそれにした。

エレハモは他とちょっと特性(動作点)が違うようなので使わないようにする。

 

以降基準入力電圧を0.775Vとし、出力電圧を交流で測定した。

 

※600Ω負荷に1mW(=0dBm{←mは1mWのミリ})消費させるのには入力に0.775V必要。

 

まず、初段12AX7の出力電圧は8.0Vac、歪は7.1%。

位相反転段12AU7の出力電圧は

上側59.3Vac、歪は7.2%。

下側57.9Vac、歪は6.7%

 

 

これらから考察すると、初段のX7、おかしくね?電圧が低すぎる。そうすると歪が増えると思うのだが。まあ、上杉さんの事だから定電圧駆動に何か思うところがあってのことだと思うが、ちと調べた方が良いと思う。なにせ、この段の歪が大きい。5%を超えると分かるらしいが、もしかしたら音量を上げるとうるさいのはこれの所為?

それから二段目のAU7は測定結果の歪から初段の歪を引いたら凄く小さい。これは凄い事かもしれない。

ただし、プッシュとプルで出力電圧が少し違うのでこれが気になる。この差が出力管の歪になるとしたら・・・なのだが、二段目と出力管の歪の差もそんなに無いんだよな。

 

 

 

この回路、気になるのは先ほど測ったX7の歪。これはX7のEp(≒70V)が低すぎねいか?

二段目U7のEkが高すぎる。設計70Vのところ83.2V。20%増だ。

そして出力段のEpも高い。

電源ドロップ抵抗30Ω→100Ωに変更。:これらおかしいと思った各電圧を設計値に近づける為に、まず出力段(電源の上流)のEpを合わせるために変えた。結果出力18.8W、歪8.4%。これを基準に各定数を変えてみた。

①.6CA7のRk 500Ω→470Ωに変更。:電源のドロップ抵抗を上げたので出力が下がったので、出力アップを図る。何故か歪も上がったので、共通グリッド抵抗が変なところに触ってたのかもしれない。

②.U7のRk 15kΩ→20kΩ→24kΩ→10kΩ→15kΩに色々変更。:本命の抵抗なのだが、抵抗値を上げるとU7の出力電圧も上がり歪も減るのだが、何故かスピーカーの端子で出力を測っても出力が上がるわけでも無い。

③.X7のドロップ抵抗 82kΩ→100kΩ→91kΩ:ここはX7のEpを上げてやれば歪も下がるようだが、何故かU7、6CA7の出力、歪と連動しない。あっち立てればこちらが立たず・・・って感じだ。

 

 

結局歪が小さい時、6CA7の出力も小さい、入力電圧を上げてやって出力を上げてやると歪みも大きくなる。

ってことはVRで上げ下げと同じことかと思い結局最初のU7のRkの値に戻してしまった。

6CA7のRkに関しては、内部抵抗らしきもの(Ep×Ip)が下がり、OPTの5kΩに近付くので470Ωとした。

プレート損失し関してはEpで計算してた物をEp-Ekと修正した。結果、大分下がった。全然余裕なはずなので、これによる真空管の寿命は無いはず。しかし、スクリーングリッドの電圧がEpより高いのが気がかり。

 

実際X7、U7の電圧を測るとき、ワニ口クリップを繋ぐと他所の電圧が変わるので、この辺はもう少し検討要だ。

 

やったことの割には思ってた結果にはならなかったが、気が済んだ。基本設計が良く出来てるということか。 


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