なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

出血性脳梗塞

2023年07月07日 | Weblog

 7月3日に記載したDOACのⅩa阻害薬でも脳塞栓症が再発して、抗凝固薬をダビガトランに変更された86歳男性のその後。

 6月27日に地域の基幹病院脳神経内科から回復期リハビリ病棟に転院してきた。指示通りダビガトランを継続して、リハビリを開始したが、認知力低下で指示が入らなかった。

 

 診療情報提供書に不穏はないとあったが、夜間せん妄があり、日中でも気に入らないと殴って来るそうだ。夜間だけでも良眠してもらうのにデジレル25mgを追加したが、午前中に眠気が残った。

 週末からグラマリール25mgを追加してみたが、7月3日月曜日は朝からずっと傾眠傾向だった。開眼して返答することもあり、カロリーメイトゼリーをちゃんと飲んだりもする。

 看護師さんからいわれて、グラマリールは中止したが、4日火曜日も傾眠状態は続いた。ちょっとこれはおかしいと、頭部CTを再検した。(MRIは動くので無理)

 結果は以前から脳梗塞(脳塞栓症)を繰り返している左側頭葉~頭頂葉にこれまでなかった梗塞巣を認めた。さらに1㎝弱の斑状の出血が4か所にある。両側小脳にもこれまでなかった梗塞巣が多発していた。

 検査をしているうちに時間外になってしまった。基幹病院に電話してみたが、紹介した医師は帰宅していなかった。点滴で経過をみて、翌5日の朝はベット上で開眼していた。呼びかけると「ハイ」と返事だけする、(失語症の悪化)

 脳神経内科医に電話で連絡して、また診てもらうことにした。救急搬送して、急性期が過ぎて落ち着いたら、またリハビリで戻してもらう。

(使う必要はないと言われたが、ダビガトラン(プラザキサ)の中和薬のイダルシズマブ=プリズバインドは当院にはない。)

 

 

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