なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

約20年前の脳梗塞

2023年07月26日 | Weblog

 6月で常勤の脳神経内科医が退職して、外来の患者さんたちはそれぞれ紹介となった。専門医の診察を要する神経疾患の患者さんたち(パーキンソン病、多発性硬化症など)は、非常勤医の脳神経内科外来や地域の基幹病院に回された。

 それ以外の、脳梗塞後遺症で高血圧症・糖尿病・高脂血症の治療をしている患者さんたちは、当院の内科外来や市内のクリニックに紹介となった。

 当方の外来にも数名の患者さんたちが回ってきた。今週の月曜日に、脳梗塞後遺症の70歳女性が外来(内科再来)を受診した。

 

 2004年の51歳時に脳梗塞を発症していた。右半身の不全麻痺(正確には違和感から)が出現して、頭部MRIで左放線冠に脳梗塞を認めた。入院して治療を開始したが、症状は次第に進行して、ほぼ完全麻痺になった。

 発症13日目の頭部MRIでは、発症日のMRIで淡く描出されていた梗塞巣がくっきりと描出されていた。リハビリ継続で3か月入院していた。通常はその辺で退院になるが、年齢が若くご本人のリハビリ継続の希望が強く、他県のリハビリ病院に転院となった。

 右半身麻痺はあるものの、何とか自力歩行できるようになって戻ってきた。リハビリ継続の甲斐があったことになる。

 その後は脳梗塞発症時に指摘された糖尿病・高脂血症・高血圧症の治療を継続していた。糖尿病はHbA1cが8.9%(当時はJDS)で、放置していたらしい。

 その日のHbA1cは7.1%で最近は7.0%前後で推移していたようだ。糖尿病薬はDPP4阻害薬・メトホルミン・α-GI・ピオグリタゾン(15㎎)だった。

 下痢の症状が続いていて、ロペラミドを自分で調整して内服するようになっていた。メトホルミンは初期量だが、その影響なのだろうか。(処方後かどうか、もうご本人もわからない)両下腿の浮腫があり、ピオグリタゾンば中止した方がいいようだ。

 141cm・65kgと肥満があるので、SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬に移行していくことにした。当院で最初に導入したMRIでの撮影だった。その後は新規のMRIになって、画質はかなり改善している。MRA像がないが、当時は撮影できなかったのかもしれない。

 

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