なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性虫垂炎~Adult appendicitis Score

2023年07月14日 | Weblog

 7月10日月曜日は整形外科医が当直だった。右下腹部痛の19歳男性が救急外来を受診した。

 前日の夜から腹痛が出現して、その日の夕方から腹痛が悪化したということだった。右下腹部に圧痛があった。時間外は簡易検査になるが、白血球10200・CRP1.3と炎症反応が症状していた。

 腹部(単純)CTの読影はちょっと困ったようだが、Adult appendicitis scoreを評価されていた。Alvarado scoreしか知らなかったが、2014年からあるのだった。

 評価項目から点数を10点と算出されていた(簡易検査で好中球の割合は出ないので、実際はもっと高い)。経口抗菌薬を処方して、内科外来を受診としていた。

 抗菌薬をレボフロキサシンとフラジールにしていたのにも、また驚いた。(米国流の処方?。フラジールはなかなか出ない。)高次医療機関におられた先生なので、このような評価・対応が身についているのだろうか。

 

 7月12日に内科新患を受診した。担当はもともと外科医だが、現在は内科の診療をしている先生だった。まだ腹痛は続いてはいたが(悪化はしていない)、発熱はなく炎症反応は軽減してきていた(白血球4500・CRP1.6)。同じ抗菌薬を継続して保存的に経過をみることになっていた。

 虫垂炎に限らず、スコアはスコアとして、手術するかどうかは診察所見と画像所見を見ての(外科手術可能な病院での)外科医判断だと思う。

 

 

Adult Appendicitis Scoreの評価項目

スコアは以下の7項目を加算して算出

1.右下腹部に痛みがある +2

2.痛みの部位が移動している +2

3.右下腹部に圧痛を認める

  • 男性、 女性 (50歳以上) +3
  • 女性 (16~49歳) +1

4.筋性防御

  • 軽度 +2
  • 中程度または重度 +4

5.血中白血球数(×10⁹)

  • 7.2 ~ <10.9 +1
  • 10.9 ~ <14.0 +2
  • ≧14.0 +3

6.好中球の割合

  • 62% ~ <75% +2
  • 75% ~ <83% +3
  • ≧83% +4

7.CRP(mg/dL)

  症状発現から <24時間

  • 0.4 ~ <1.1 +2
  • 1.1~ <2.5 +3
  • 2.5~ <8.3 +5
  • ≧8.3 +1

  症状発現から ≧24時間

  • 1.2~ <15.2 +2
  • ≧15.2 +1

リスク分類 (虫垂炎の可能性)

  • ≧18点:虫垂炎の可能性が非常に高い
(感度27.7%、特異度97.6%)
  • ≧16点:虫垂炎の可能性が高い
(感度58.0%、特異度92.7%)
  • 11~15点:虫垂炎の可能性は中程度
(感度95.9%、特異度54.2%)
  • ≦10点:虫垂炎の可能性は低い
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