なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

妊婦さんのコロナ

2023年07月24日 | Weblog

 木曜日に発熱外来を診ていた先生から、発熱外来を受診した妊婦さん(27歳)がコロナだったと聞いた。

 前日の日中から頭痛・咳・倦怠感があり、夕方から発熱(37.8℃)があった。産婦人科に連絡したところ、近くの病院を受診するようにと言われて、当院を受診していた。

 食欲がなく、水分をとったら嘔吐したそうだ。発熱外来にある点滴用の部屋(1部屋しかない)で、点滴とアセトアミノフェン点滴静注を行っていた。アセトアミノフェン内服を処方して夕方帰宅している。

 

 どこの医療機関に通院しているのか訊かなかったそうだ。現在は出産を扱う病院は少なく、クリニックだと妊娠期間中の管理だけ行っているところが多い。

 今月あった病院間の感染管理のカンファランスに、産婦人科病院が出ていた。検査を含めて対応していると報告していたので、コロナ罹患の妊婦さんで入院が必要な時はそちらで相談してもらえるようだ。

 

 木曜日の午後に、月に1回院内の感染管理を診てもらっている感染症科の先生が来られたので、訊いてみた。小児科に関しては県内の医療機関で入院治療できる病院は決まっているが、産婦人科ではどうなっているんでしょうか、といわれた。

 産婦人科のネットワークで決まっているんでしょうね、という。大学病院では、通院している妊婦さんがコロナに罹患した時は入院治療も引き受けるが、他院通院の妊婦さんは受けていないそうだ。 

 担当した先生に上記の産婦人科病院のことを伝えたので、患者さんにお話していた。産婦人科医のいない病院では、コロナに罹患した妊婦さんが入院して、「出血した」「腹痛がある」となると困ってしまう。

 

 コロナの抗ウイルス薬は、モルヌピラビル(ラゲブリオ)とエンシトレルビル(ゾコーバ)が「妊婦には投与しないこと」で、レムデシビル(ベクルリー)とニルマトレルビル/リトナビル(パキロビッド)が「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与」になっている。

 妊婦さんの場合、症状が発熱・食欲不振・倦怠感であれば、点滴とアセトアミノフェン使用で経過をみて、抗ウイルス薬は使用しないのだろう。

 

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