なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

閉鎖孔ヘルニア

2023年07月21日 | Weblog

 火曜日の当直は若い腎臓内科医だった。午後10時半に左殿部~大腿部痛の86歳女性が救急搬入された。午後7時ごろに発症して症状が続いていた。 

 腹部は平坦・軟で圧痛ははっきりしなかった。既往歴は子宮筋腫術後(同時に虫垂切除も)。腹部CTで左閉鎖孔ヘルニアを呈していた。小腸内の消化液貯留が出て始めているが、まだ腸閉塞というほどではなかった。

 

 地域の基幹病院外科へ救急搬送となった。搬送は午前0時を過ぎていた。緊急で手術になるのか、翌日になるのかはわからないが、翌日まで待つのかもしれない。

 

 患者さんの訴えは左殿部から大腿部背側の痛みだった。閉鎖孔ヘルニアでは、閉鎖神経がヘルニアで圧迫されて大腿内側から膝にかけて痛み・しびれが出現するHowship-Romberg徴候が有名だが、これもそうなのか。

 発症時間がsudden onsetではないとしても急性に出現している。閉鎖孔ヘルニアだと、腸閉塞症状としての嘔気や食欲不振で発症する印象があり、急性の発症はこれまであまりなかった(といっても数例だが)。

 数日前から食事がとれなくてというのもあった。ヘルニア嵌頓の程度によるのかもしれない。

 

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