先週の金曜日に内科医が泌尿器科医(非常勤)に相談していた。外来に高血圧症で通院している88歳男性は血尿が続いていた。腹部CTを行うと左腎盂に腫瘍を認めたのだった。
2年前から尿検査で血尿を呈するようになっていた。腹部エコー検査で前立腺肥大と肝嚢胞を認めたが、両側の腎臓に関しては腫瘍も水腎症もなく、異常なしとされていた。
その後も血尿は続いていた。CTも「何か異常が指摘できるでしょうか」というオーダーなので、結果は想定外だったのだろう。
後からだとなんとでもいえるが、それまで異常がなかった尿検査で、ある時点から血尿を認めるようになっていた。
内科的な腎臓疾患か、泌尿器科疾患かということになる。血尿の程度からみると薄い肉眼的血尿に近いようだ。膿尿もある。腎機能の悪化はなかった。泌尿器科疾患だと結石か腫瘍になるが、無症状だと腫瘍疑いになる。
尿路系の悪性腫瘍は膀胱癌など腫瘤形成しないこともあるので、細胞診でみるしかない。腎炎ではない血尿として泌尿器科に紹介するのが早いのだろう。
腹部エコーも改めて見ると、中心部の高エコーの部分が通常より不整に描出されているようだ。これも、後から見れば、になる。年齢的には、健診や早期発見の対象にはならないかもしれない。