なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

急性膵炎

2023年07月25日 | Weblog

 もともと消化器外科だった先生が、当院で内科系の診療を担ってくれている。先週の木曜日は、日中の外来で肺炎の96歳男性と膵炎の85歳男性を入院させて、その日の当直では肺炎の84歳男性を入院させていた。

 

 急性膵炎の85歳男性は施設入所中だった。前日の水曜日の夕食後から心窩部痛があり、いったん軽減したそうだ。木曜日の昼前に顔面蒼白・冷汗が出現して、施設近くのクリニックを受診した。そのクリニックから当院に紹介された。

 炎症反応の上昇(白血球18400・CRP0.0、CRPは翌日17.0へ)、肝機能障害(AST 337・ALT 218・ALP 218・総ビリルビン1.6)と血清アミラーゼ上昇(831)を認めた。

 造影CTで胆嚢内に胆砂・胆泥を認めたが、胆道系の拡張はなかった。もともと萎縮している膵臓が腫脹していて、周囲の脂肪組織の炎症像がある。少量だが腹水もあった。

 胆石(胆砂)が総胆管に落ち込んで、いったん嵌頓して排出されたのだろうか。再検した翌日のCTでも、胆道系の拡張はなかった。

 病状悪化時は高次医療機関へ搬送と家族に説明されていた。翌日の肝機能は軽減してきていて、保存的に経過をみて治まっていくと見込まれた。

 

 別の内科医も元々は外科医で、やろうと思えば腹部手術はできる(はず)。消化器科医も元々は外科医だったが、内視鏡が面白くなって消化器科になった。

 外科医から消化器系の内科医へというのはよくあるようだ。中には放射線科から精神科、心療内科から心臓外科という先生もいる。

 心療内科から心臓外科になった先生は、「同じ心」ですからと言っていたが(冗談です)、心療内科の心は心理療法の心だからまったく違う。

 

コメント
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