誤嚥性肺炎(広義)は、明らかな嘔吐の英ソード後に出現する化学性肺臓炎と、不顕性誤嚥(明らか嘔吐がない)からの誤嚥性肺炎(狭義)に分けられる。
前者は必ずしも抗菌薬は必要としないので、1日経過をみて解熱するような場合はそのまま抗菌薬なしで軽快することになっている。が、通常は抗菌薬を投与することになるだろう。
日曜日の当直の時に、施設入所中の101歳男性が誤嚥性肺炎で救急搬入された。その日の昼食にむせって、嘔吐したという。午後は軽快みていたが、午後4時ごろに発熱してまた嘔吐した。
救急搬入された時にも嘔吐(食物と胆汁)したが、救急車で揺られてきたためかもしれない。
普段は特に治療は受けていない(当然投薬もない)ということだったが、心電図で心房細動を認めて、両下腿~足に浮腫を認めた。心房細動・心不全なのだった。
胸部CTで右上葉下葉の背側に浸潤影を認めて、左肺下葉背側にも軽度に浸潤影があった。
酸素飽和度が90%未満で搬送時から酸素吸入が開始されていた。酸素2L/分で90~95%と呼吸状態(とカニューラの付け方)で変動する。
3日後には解熱してきた。嚥下評価・訓練で嚥下できそうですというST評価だったが、ご本人があまり食べたがらず、食食事摂取はあまり進まない。
治療後の胸部X線で浸潤影がいったん広がったが、その後は軽減してきた。