なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

入院は2日のみ

2016年01月21日 | Weblog

 1週間前に県立がんセンター泌尿器科から、前立腺癌・多発性骨転移の80歳男性の転院を依頼された。昨日が転院日だったが、午前9時前に電話が来て、食事はとれず酸素飽和度も低下していて連絡した時より病状が悪化しているという連絡だった。それで転院が取り消しになるということでもないので、予定通り転院してきた。病棟にも酸素吸入での搬送になると連絡が入っていた。

 手指が冷たくて酸素飽和度が出なかったが、温めたりしているうちに何とか測定できた。心房細動という話も聞いていたが、心拍数150~160/分と頻脈だった。血圧が100mmHg前後だった。ワソラン半筒静注で心拍数が100/分前後にはなった。末梢血管に点滴ルートがあり、生食ロックされていたので、それを使用して点滴を開始した。

 家族に、がんセンターで聞いていた病状を確認して、右肩下がりで進行していくが、急変もありうるとお話した。せっかく転院したので、病状は厳しいが1~2週間はもたせたいと思った。準夜帯になって、発熱したため、肺炎・尿路感染を考慮して抗菌薬を投与した。深夜帯になって、しだいに血圧が下がって結局そのまま心肺停止になった。がんセンターの時からDNRの方針になっていたので、CPRは施行しなかった。こんなに早く急変するなんてと家族に言われると思ったが、それはなかった。

 昨夜88歳男性が下部消化管出血で搬入されていた。赤黒色の便が3回出たそうだ。数年前にも上行結腸憩室出血で入院した既往がある。消化器科医が難病指定の講演会に行くため当番を変わっていたので、当直の外科医から連絡がきた。Hb6g/dlと低下していたが、バイタルは安定しているという、通院している内科クリニックから鉄剤が処方されていたので、ふだんから貧血があると推定された(直近のデータでHb8g/dlだったと判明)。輸血で経過をみて、翌日内視鏡をするかどうか相談ということにした。濃厚赤血球4単位を入れて、今日はHb8g/dlだった。新規の出血はないと判断された。消化器科で少し経過をみてから、大腸検査予定となった。

 日本医書出版協会の翌月の出版予定は毎月20日に出る。2月にまた風邪の本が出るらしい。風邪本収集家として当然買いだ。他にもタイトルから見て買ってみたい本があり、楽しみだ。

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多発性筋炎、その後

2016年01月20日 | Weblog

 昨年11月末に整形外科クリニックからの紹介で76歳男性が受診した。近位筋の筋肉痛・筋力低下、筋原性酵素・炎症反応上昇、肺の間質性陰影から、多発性筋炎が疑われて、リウマチ膠原病科へ紹介した(翌日受診へ)。

 今日、紹介先の病院からの返事が来ていた。抗核抗体陽性、抗ARS抗体陽性で、多発性筋炎(間質性肺炎併発)と診断されて、ステロイドパルス療法後にプレドニンとプログラフを併用して寛解導入されて退院したという。今後は外来通院の予定とあった。退院時のプレドニンは20mg/日。抗Jo-1抗体の記載はなかったので、今時は抗ARS抗体で判定するものらしい。この病気は疑ったら専門医に紹介(お任せ)だと思った。

 今日内科再来を受診した87歳男性は、リウマチ性多発筋痛症として治療を開始したが、反応が悪かった。リウマチ性疾患の何かにあたるのだろうが、確定できなかった。専門医への紹介も希望されなかった。自分がいじるのもどうかとは思ったが、プレドニン30mg/日から漸減して症状所見が改善し、ある程度減量しては再燃するというのを繰り返した、結局プレドニン7.5mg/日で症状・所見が安定した。

 昨年ケアハウスから介護できる施設に入所した。そこの嘱託医は入所者と同年代の老先生だったが、最近は私と同年代の先生に変わった。今度からそちらのクリニックで処方してもらうことになるので、紹介状を書いてほしいと連れてきた施設職員から頼まれた。恥ずかしいが、診断はついていませんがこんな経過ですと正直に紹介状に書くしかない。

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「ねころんで読めるてんかん診療」

2016年01月19日 | Weblog

 アマゾンで注文した「ねころんで読めるてんかん診療」MCメディカ出版が届いていた。著者の中里信和先生は当院院長の同級生。一般医向けの講演会を聴きに行ったことがある。外見は脳外科医というイメージではなく(どんなイメージだ)、もの柔らかい印象があった。

 神経内科医でもてんかんについては、専門家ではないのでという言い方をされたりする。まして神経内科医ではない医師にとっては、わかりにくい分野だ。それでもてんかん発作を実際に診ているのは、専門医ではない医師になる。救急医療の本は、発作を抑えるところまでしか書いていない。個人的には、初心者向けのてんかんの本を少し持っているが、なかなかピンとこない。この本で勉強しよう。

 昨夜の当直医は外科医だった。内科外来に通院していた多発性骨髄腫の女性が大腿骨骨折(骨幹部骨折)で救急搬入されていた。この患者さんは腫瘍に対する治療は限界になり、貧血に対する輸血を断続的にしていた。内科新患に来ている大学腫瘍内科からの応援医師が診ていた。病的骨折の可能性もあるが、手術するしかないようだ。

 昨夜、内科外来に糖尿病で通院している87歳女性(実際はその家族が)が発熱で受診したいと電話したそうだ。診察は難しいと言われたというので、多分上記の患者さんと恥骨骨折の患者さんが続けて搬入された時だったらしい(普通は診るから)。他院を受診して、尿路感染症(急性腎盂腎炎)と診断されて、クラビット500mg内服を2日分処方された。今日当院を受診するようにと言われ、紹介状を持って受診した。1週間微熱が続いて、排尿時の違和感があったという。いきなり腎盂腎炎というよりは、膀胱炎からの移行らしい。クラビットが効いたらしく、今日は解熱していた。白血球数10200、CRP16で、尿沈渣で白血球100個/HPF以上だった。いつもよりは少ないが食べられるという。

 87歳という年齢もあり、家族も入院希望なので、入院治療とした。身長143cmで体重が71Kgなので、BMI35になる。処方はジャヌビアとアマリールで、ずっとHbA1cが8%台だったが、最近は9%になった。息子たちにファミリーレストランなどに連れて行ってもらったと、うれしそうに外来で話す人だった。自称だが、周りから食べろ食べろと言われていることになっている。この年齢までずっと血糖コントロール不良なのに、これまで心筋梗塞にも脳梗塞にはならずに過ごしてきた。せめて8%は切りたいが、ニコニコと笑っている丸々とした身体を見ると、あまりきつくも言えない。楽観的な愛されるキャラクターで、さっそく看護助手さんたちと打ち解けていた。入院中、2~3Kgはやせてもらおう。

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退院それぞれ

2016年01月18日 | Weblog

 今日は大雪で、いつもは車で高速道路を使って通勤しているが、JRの電車で病院に来た。自宅から駅までバスで行って、電車に乗って、さらに病院までバスで来たので2時間かかった。もっとも高速道路は通行止めではないので、怖い思いをしながらではあるが、車でも来れた。みぞれになって、さらに雨になった。今日は内科の当番でもあり、面倒なので病院に泊まることにした。病棟はそれほど問題なく、午後は来月から始まる診療システムの画面に向かってトレーニングしていた。

 今日は3名の患者さんが退院した。ひとりはできるだけ自宅で過ごすことを目標にした肺癌の82歳男性。自分で3階の病室から1階の会計事務まで行って支払を済ませた。もうひとりは下肢の蜂窩織炎で入院していた90歳女性。こちらも年齢の割に受け答えがはっきりとして、まだまだ長生きできそうな方だった。

 問題は74歳男性。重症の逆流性食道炎で昨年バルーン拡張術を受けているので、れっきとした病気はある。あるが、この方はごみ屋敷の住人として有名人だった。その問題があるので、生活保護でもないのに行政でかわっている。ごみは撤去されたが、ごみ屋敷が復活しないように、監視下にある。また食品を買いに行くのが面倒になるとそのまま食べないで過ごしてしまうので、今度は餓死しないようにという意味でも監視が必要なのだった。

 今日は入所が決まった隣の市にあるケアハウスに行くことになっていた。市役所の職員が車に乗せて送り届けることになっていたが、自分の車で行くと言ってきかない。大雪で途中の道路で事故を起こしたら大変と、病院の駐車場でもめていたそうだ。結局、自分の車を運転して向かうことになったが、その車の前後を市役所の職員がはさんで行くということになった。この方は精神疾患でもなく、認知症でもなく、単なるキャラクターの問題ということになる。

 画面に本日の退院患者さん一覧が出る。内科などの退院患者さんとならんで、小児科を退院する女の子の名前もあった。ララちゃんという、今時のキラキラネーム。

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古典的な心不全治療

2016年01月17日 | Weblog

 先々週の土曜日に心不全+肺炎で入院した90歳女性は、利尿薬(ラシックス+ソルダクトン)静注と抗菌薬(チエナム)で順調に回復した。まだ両側胸水は貯留していたが、浸潤影はかなり軽減していた。心電図ではV1-3で異常Q波があり、R波の増高があった。心筋原性酵素の上昇は再検してもなかった。、心エコーでみるもらうと、左室の前壁中隔の動きが悪く、EFは27%。前壁中隔の壁厚がすでに薄くなっていて、陳旧性心筋梗塞と判断された。少なくとも半年以上は経過しているということだった。心室性期外収縮が散発しているが、有意な不整脈はない。

 高血圧症で通院していたが、入院後も血圧はむしろ高めで経過した。内科医院で降圧薬としてCa拮抗薬が処方されていたが、これをACE阻害薬のレにベースに変更した。これで十分血圧が低下して、βブロッカーの処方は見合わせた。利尿薬を静注から内服(ダイアート+アルダクトンA)に変更した。下痢が見られたこともあり、抗菌薬は1週間で中止した。今時としては古典的な治療のみで軽快したことになる。

 入院日とその翌日は不穏状態だったが、酸素飽和度が安定すると、大人しく横臥していた。難聴で大きな声で話てもなかなか通じないが、内容的には普通に会話ができた。

 金曜日に心エコーを診てくれた循環器科医と話をしたが、利尿薬(特に注射薬)は未だにラシックスで、これを越えるものがない。ラシックスを使用しない治療はないので、いまさらラシックスEBMのできないだろうと言っていた。アルダクトンAはエビデンスもあり、期待されたセララは利尿作用はなく、降圧薬としても100mgで使用してもあまり下がらない。特有の副作用はあるもののアルダクトンAも今後残っていくという。ありがたい薬だ。

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空振りの泊まり

2016年01月16日 | Weblog

 昨日の金曜日は内科の当番だった。宿直が外部の病院の先生でもあり、今日は午前中と午後に予定があって新規入院があってもすぐに病院にいけないため、病院に泊まって待機していた。外科の当番の先生も泊まっていて、腸閉塞の入院があった。内科の新規入院はなかった。昨日3名入院させた内科の若い先生が朝病院に来ていたので、その患者さんたちについて検討した。

 一人は肝右葉に一区域以上を占める腫瘍があり、肝細胞癌ではなくて、腹部造影CTで見ると肝内胆管癌のようだ。これは外科に相談する予定。別の80歳代女性は進行胃癌だった。内視鏡検査をした消化器科医、さらに外科医との相談になる。もう一人は心房細動・心不全の80歳代男性だった。最初の二人は消化器科で、あとの一人は循環器科で入院としていいと思うが。

 病院では2月の診療システムの導入に向けて、今日システムの試運転をしている。昨日夜まで、請け負うNECが機材を搬入していた。1月29~31日に新規システムへ移行する(電子カルテになる)。その間伝票での運用になる。29日(金)~30日(土)は臨床微生物学会で不在だが、31日(日)は日直なので、混乱の中での診療となる。なんとその3日間はテレビドラマの撮影が病院である。事務を何を考えているのだろうか。

 今日の午後は、サイエンス漢方の講演会があった。講師はおなじみの井齋偉矢先生で、今日は「がんと漢方」として抗がん剤治療や放射線治療時の副作用対策に使える漢方薬の話を、また「痛みの漢方治療」として慢性疼痛に使用する漢方薬の話をされた。5月か6月に集英社新書で、痛みの漢方治療の本が出るそうだ。

 

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緩和ケア多し

2016年01月15日 | Weblog

 昨夜午前1時前に基幹病院腫瘍内科から転院してきた原発不明眼の87歳男性が亡くなった。宿直の外科医に死亡確認してもらった。演壇モルヒネの持続点滴を継続して、最期は濃度を下げても良かったが、そのまま継続した(10mg/日と少量だった)。

 直腸癌・肝転移・肺転移(気管支拡張症・慢性呼吸不全)の67歳男性はしだいに食事摂取が少なくなり、点滴をしていた。癌性疼痛と呼吸困難があり、内服ができる時とできない時が出てきたので、塩酸モルヒネの持続点滴を開始した。7.5mg/日だが、今のところ効果があって、穏やかに過ごしている。

 昨日県立がんセンターから転院してきた肺癌の79才男性は脊椎全体に転移があり、横臥した姿勢からの起き上がりがつらいようだ。がんセンターで伝えられた予後は2か月という。この方はアセトアミノフェン+NSAID+フェントステープ。

 1週間前に同じく県立がんセンターから転院してきた肺癌(扁平上皮癌)の82歳男性は、案外食事摂取が良く、胸水貯留も進行しなかったので、来週月曜日にいったん自宅退院とした。2週間後に外来予約として、調子が悪い時はその時点で再入院とした。目標は自宅で1か月だ。

 今日また県立がんセンターの、今度は泌尿器科から電話が来て、前立腺癌終末期の80歳男性の転院依頼だった。地域医療連携室で来週中の転院を手配してもらった。

 来週の土日に県の緩和ケア研修会に行くが、最近普段より緩和ケアが増えている。取り立てて目新しいことが聴けるわけではないが、研修会受講済みが一種の資格になっているので、必要なのだった。

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肺癌、外傷性頭蓋内出血

2016年01月14日 | Weblog

 今日は外来がないので、病棟の入院患者さんを診ていた。原発不明癌の患者さんは血圧測定もできなくなったが、呼吸は規則的で酸素飽和度も正常域だった(酸素吸入下でだが)。日中と思われたが、夕方になっても頑張っていた。

 県立がんセンター呼吸器科から、肺癌(腺癌)の多発性骨転移・肝転移・脳転移・副腎転移の患者さんが転院してきた。昨年の5月に胸痛・腰背部痛で整形外科クリニックを受診した。その後当院の整形外科を受診して、骨転移ということで内科(私)に回された。左下肺に腫瘤陰影があり、原発は肺癌と判断され、そのままがんセンター呼吸器科に紹介した。

 がんセンターで治療していたが、その後は緩和ケアのみとなって、昨年12月初めに当院内科外来を受診した。いずれ病状が悪化した時には当院に入院する方針となり、顔見世目的の受診だった。まだ元気だった。12月末にがんセンターを(予約)受診した時に、疼痛など症状が進行したためにそのまま入院となった。緩和ケアの調整をしたが、自宅退院は無理ということで当院に転院した。2か月くらいの予後と言われたそうだ。確かに1~3か月というところが妥当と思われた。

 午後は救急当番だった。道路に面した崖から転落して頭部打撲した83歳女性が救急搬入された。崖の中腹にある木の枝を取ろうとして、2mくらいとところから後ろ向きに落ちた。この時期に、小さな団子を枝につけて祝うので、それ用の枝がほしかったらしい。後頭部に皮下血腫ができていた。呼びかけると開眼して頭痛や嘔気の有無を答えたが、すぐに閉眼してしまう。頭部CTをとると、後頭骨に骨折があり、外傷性の急性硬膜下血腫とくも膜下出血があった。脳浮腫を呈して、midline shiftもある。すぐに地域の基幹病院脳外科に連絡したところ、幸い引き受けてくれた。血圧が210mmHgと高く、降圧薬を静注した。

 

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糖尿病、咳喘息?

2016年01月13日 | Weblog

 今日は年末年始で休みの分の患者さんが入っているので、いつもより多かった(来週も相当に多い)。糖尿病で困っている患者さんのひとり44歳男性が受診した。HbA1cが13%。インスリン・GLP1受容体作動薬・メトホルミン15000mg/日・SU薬で治療しても下がらない。肥満も変わらない。教育入院は仕事の関係で無理だという。結局インスリン量を増量するしかなかった。

 66歳女性が1週間前からの咳がひどいという訴えで受診した。夜間から明け方がひどい。この方は気管支喘息の家族歴がかなり濃い。ところが、ご本人は咳のみで喘鳴が聴取されない。夜間~朝方にはあるのかと訊くと、喘鳴はないという。日中いくら強制呼気をさせても、呼吸音は正常だった。これまで、喘鳴があれば気管支喘息重積発作(程度は中等度くらいか)といえる症状で入院したこともある。気道感染はウイルス性はあるかもしれないが、少なくとも細菌感染(肺炎)はなかった。

 昨年も咳の発作が続いて受診したが、娘の出産で首都圏に行くため、入院できないといわれた。デカドロンの点滴をして、デカドロンの内服を処方した。幸いに数日後に戻ってきた時は症状が軽快していた。プレドニン内服にして漸減中止した。普段はシムビコートの吸入をしていて、安定している。今回は自分で吸入回数を1回追加しているという。朝夕2回2吸入ずつしていて、発作時は2吸入追加可能としていた。いつものようにデカドロン4mgの点滴をして、程度は一番ひどかった時よりは軽いので、プレドニン20mg/日を3日、15mg/日を3日内服して来週再受診とした(軽快しない時は今週再受診へ)。咳喘息としか表現のしようがないが、喘息に準じた今の治療でいいのだろうか。

 今日は病院経営を分析する会社の人が来て、院長室(応接室)で病院幹部が集まって報告を聴いた。県の方針が3月にあり、それを踏まえて当院の経営方針を出さなければならない。病棟のひとつを、今はやりの地域包括ケア病床にする方針になりそうだ。

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連休明けの風景、緩和ケア

2016年01月12日 | Weblog

 連休明けだが、病棟はまずまず落ち着いていた。3日前の土曜日に著しい低酸素血症で救急搬入され90歳女性は、利尿薬と抗菌薬で軽快していた。酸素10L/分りザーバー付きからしだいに酸素濃度を下げて、今日は2L/分鼻カニューラになっていた。空腹を訴えて、昼から食事(糖尿病食の全粥刻み食)を出すことにした。単純なラシックスとソルダクトンの静注だけだが、これまで投与歴がなく、よく効いた。

 回転性めまい・耳鳴・難聴の53歳女性は回転性めまいは消失して、耳鳴・難聴は残っていた。今日耳鼻咽喉科外来(大学病院からの応援医師)を受診して、メニエール病と診断されたが、この経過でいいのだろうか。

 先々月に誤嚥性肺炎で入院した93歳男性は、施設への再入所待ちだったが、一昨日から食事がとれなくなり、酸素飽和度が低下していた。胸部X線で右肺に広範な浸潤影があり、左肺にも軽度にあった。誤嚥性肺炎再発だが、これば厳しそうだ。

 両下肢の中等度浮腫(と体幹部・上肢の軽度浮腫)で12月31日に受診した70歳代女性は、明らかな浮腫の原因となる疾患がなかった。内科医院の処方は、降圧薬がミカルディスとアダラートLだった。2か月前から朝の血圧が高く、夕にアダラートLが追加になった。アダラートが浮腫の原因として疑わしかったので、それを中止して、降圧利尿薬に変更した。フルイトランにアルダクトンAを加えた(カリウム値が正常下限だったから)。その後浮腫はすっかり改善した。また降圧利尿薬をして、かかりつけの内科医院への診療情報提供書を持たせた。

 23日・24日に県の緩和ケア講習会があるので、緩和ケアの本を読み始めた。緩和ケアの処方についての本は持っているが、「コミュニケーションスキル」と「悪いニュースを伝える」が読みたかったので、わかりやすい記載の「緩和ケアの基本と実践、手とり足とり教えます」羊土社を読み始めた。半日かけて患者さんとの面接を想定したシミュレーションがあるので、ちょっと予習しておく。「死の話をしてみよう」の項目もあり、精神神経学の難しい本を読むよりいいと思った。

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