なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

肺癌、外傷性頭蓋内出血

2016年01月14日 | Weblog

 今日は外来がないので、病棟の入院患者さんを診ていた。原発不明癌の患者さんは血圧測定もできなくなったが、呼吸は規則的で酸素飽和度も正常域だった(酸素吸入下でだが)。日中と思われたが、夕方になっても頑張っていた。

 県立がんセンター呼吸器科から、肺癌(腺癌)の多発性骨転移・肝転移・脳転移・副腎転移の患者さんが転院してきた。昨年の5月に胸痛・腰背部痛で整形外科クリニックを受診した。その後当院の整形外科を受診して、骨転移ということで内科(私)に回された。左下肺に腫瘤陰影があり、原発は肺癌と判断され、そのままがんセンター呼吸器科に紹介した。

 がんセンターで治療していたが、その後は緩和ケアのみとなって、昨年12月初めに当院内科外来を受診した。いずれ病状が悪化した時には当院に入院する方針となり、顔見世目的の受診だった。まだ元気だった。12月末にがんセンターを(予約)受診した時に、疼痛など症状が進行したためにそのまま入院となった。緩和ケアの調整をしたが、自宅退院は無理ということで当院に転院した。2か月くらいの予後と言われたそうだ。確かに1~3か月というところが妥当と思われた。

 午後は救急当番だった。道路に面した崖から転落して頭部打撲した83歳女性が救急搬入された。崖の中腹にある木の枝を取ろうとして、2mくらいとところから後ろ向きに落ちた。この時期に、小さな団子を枝につけて祝うので、それ用の枝がほしかったらしい。後頭部に皮下血腫ができていた。呼びかけると開眼して頭痛や嘔気の有無を答えたが、すぐに閉眼してしまう。頭部CTをとると、後頭骨に骨折があり、外傷性の急性硬膜下血腫とくも膜下出血があった。脳浮腫を呈して、midline shiftもある。すぐに地域の基幹病院脳外科に連絡したところ、幸い引き受けてくれた。血圧が210mmHgと高く、降圧薬を静注した。

 

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