なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

緩和ケア講習会

2016年01月23日 | Weblog

  今日明日と県の緩和ケア講習会に参加する。午前中はオピオイドを中心としたがん性疼痛の治療法、放射線治療、在宅緩和ケアの講義があった。がん性疼痛の講師は弘前大学で緩和ケアをされている佐藤哲観先生で、ユーモアを交えて分かりやすく解説された。ご自身はタペンタドールを使用しているという(会場内に使用している方はいなかった)。タペンタドールはμオピオイド受容体への結合とノルアドレナリンの再取り込み阻害作用の相乗効果で鎮痛効果を発揮する。モルヒネやオキシコドンと比較して消化器系副作用(便秘や悪心・嘔吐)を生じにくいそうだ(制吐薬や便秘薬併用なしもあり)。もともと麻酔科の先生で、神経ブロックが得意。内臓神経ブロックや腹腔神経叢ブロックでオピオイドが不要になったり、少量で済んだりするという(この辺にブロックの先生はいたかな)。

 放射線治療(緩和照射)では、癌性疼痛に対してだけではなく、癌(消化管・肺・婦人科)からの出血の止血にも適応があるというのは初めて知った。放射線照射による出血もありうるので、適応は慎重になる必要があるが。肺扁平上皮癌で空洞を伴うと、照射により出血(喀血)を来たすこともあり、これは避ける。研修医のころに、進行胃癌(手術不能)からの出血が止まらず、輸血を毎日していたが、最終的に輸血を断念したことがあった。

 午後は癌性疼痛の症例にどう対応するか、癌性疼痛への治療、患者家族への予後告知とその後のケアと目標設定などをグループに分かれて話し合った。その後に医師・患者に分かれてのロールプレイングがあった(初めての経験)。

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