なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

腸間膜脂肪織の炎症像

2016年01月02日 | Weblog

 昨日、発熱・嘔吐で救急搬入された88歳女性の診断で困ってしまった。症状は前日からで腹痛というより、腹部全体(臍周囲から下腹部?)が苦しいという。表情は苦悶様ではない。下腹部に軽度の圧痛があるようだが、触診する時によって右側の方に感じたり左側に感じたりする。腹部自体は平坦・柔で腹膜炎の所見はない。下痢はなく、むしろ数日便秘だった。

 八卦級数14000でCRPが25と高値を呈していた。腹部CTでは後腹膜の脂肪織に広範に炎症像がある。しかし腸管の病変としては指摘できなかった。何度見ても遊離ガスはない。右下腿に腫脹・熱函・発赤があり、蜂窩織炎を起こしていた。炎症反応上昇にはこちらも(こちらが?)効いているのかもしれない。血液培養2セットを提出して、抗菌薬で経過をみることにした。家族には原因がわからない旨を説明した。当直の消化器科の先生が出てきたので相談してみたが、やはりわからないという。腸間膜の血管の問題なのか?

 

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