なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

コロナウイルスに過敏な医療機関

2020年03月14日 | Weblog

 現時点で県内のコロナウイルス感染症の発生は、「クルーゼ船に乗っていて、コロナウイルスのPCR検査陰性で帰宅となり、県内に戻ってから発症した1例」だけになっている。


 各医療機関ではコロナウイルスに対して過敏になっており、保健所から当院に診察依頼があった症例はいずれも「コロナウイルス検査の適応はないが、他の医療機関で診療拒否されたので、診てほしい」というものだった。
 これまで4例が紹介された。1例は「出かけた先で中国人を見かけたかもしれない(単なる思い込み)」、2例は「東京から帰ってきてから発熱した」、1例は「長距離トラックの運転手なので東京に行くこともある」というものだった。これらの発言により、医療機関が診療拒否をしていた。
 このうち3例は単なる感冒で当院受診時には解熱軽快していた。1例(トラック運転手の若い男性)は急性化膿性扁桃炎で、普通にペニシリンで軽快した。
 
 コロナウイルスのPCR検査は「コロナウイルス感染者と明らかに濃厚接触している」患者さんで、保健所に連絡して許可をとらないとできない。(民間の検査会社も委託なので、保健所の許可が必要で、検体搬送もしない。)発熱のある患者さんに片っ端からやる検査ではないので、今のころはそれでいいのだろう。

 濃厚接触歴がなければ、単なる発熱・上気道症状だけでは検査の対象にならないので、胸部X線・CTでコロナウイルス感染症らしい肺炎像(両側肺に多発するすりガラス様陰影?)を証明しなければならない。


 保健所から「コロナウイルス感染症の患者さんと濃厚接触しているので、コロナウイルス感染症の疑いがあり、診察してPCR検体を提出してほしい」という依頼は今のところない。
 当院での検査は平日時間内としており、現時点では時間外の対応はしないことしている(担当はICD1名・ICN1名なので)クラスター感染が発生すればそうもいっていられないが。

 

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