なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

高齢者の結腸癌

2020年03月18日 | Weblog

 内科の若い先生(専攻医)が担当している尿路感染症の85歳男性は最近泥状便が続いていた。肺炎の有無や尿路系の状態を見るために行ったCTでS状結腸に腫瘤を認めた。

 抗菌薬投与で解熱した後に、造影CTを行った。S状結腸壁が全周性に不正に肥厚して、周囲のリンパ節腫脹もあり、S状結腸癌で間違いない。大腸内視鏡も通過できないので、消化器科に依頼して浣腸くらいの前処置で生検してもらうことした。

 外科でも診てもらったところ、切除もできそうという見込みだった。狭窄部位を通過した泥状便が少量出ている状態なので、最低でも人工肛門造設をしないと腸閉塞に陥る。

 クリニックから貧血精査で紹介された87歳男性は横行結腸に癌があった。近接する肝臓に直接浸潤が疑われる腫瘤像もあった。腫瘍浸潤そのものか、結腸癌の穿孔して膿瘍形成した可能性もあると解釈された。消化器科で大腸内視鏡検査が行われて、後は外科手術の検討になる。

 

 

 どちらの症例ももう少し若ければ治療内容も最善を尽くすことになるが、高齢でリスクがあると、それを考慮した選択になる。前者は経済的な問題も大きく、その点も考慮する必要があった。 

 

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