なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

胆嚢管に嵌頓

2020年03月16日 | Weblog

 土曜日は内科日直で病院に出ていた。78歳男性が心窩部から右季肋部の痛みが続いて、救急外来を受診した。

 4日前の昼に刺身(マグロ・タコ・エビ)を食べて、その日の夕方に嘔吐して、腹痛が断続的に続いた。翌日には1回だけ下痢をした。一緒にきた妻も同じものを食べたが何ともないという。

 その後、嘔吐・下痢はなく、同部位の痛みだけが続いていた。常にある程度の痛みがあり、断続的に増強するという。前日の金曜日はかかりつけの医院で点滴を受けていた。

 腹部は肥満で膨満しているが、これはふだんと変わりない。確かに心窩部から右季肋部に圧痛があった。食事の影響ではなく、原因は別にあるようだ。部位からは胆石疑いになる。

 腹部エコーでは胆嚢は腫大しているが、緊満とはいえない。腹部CTで確認すると、胆嚢内の結石の他に、胆嚢管への移行部に結石があり、嵌頓している。

 発熱はないが、白血球10500・CRP5.0と炎症反応が軽度に上昇していた。肝機能は正常域で、総胆管の拡張はない。

 アセリオ1000㎎点滴静注でいったん腹痛は軽減したが、検査しているうちに、また強い腹痛を訴えた。当番の外科医が院内にいたので相談した。

 胆嚢管への結石の嵌頓で腹痛が続いているので、ドレナージをしないと腹痛は軽減できないと判断された。日当直のバイトで大学病院からきていた若い外科医といっしょにPTBGDを行った。週明けに手術するという。

 ちょうどPTGBDのできる先生がいてくれて助かった。 

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