なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

石綿肺

2020年03月28日 | Weblog

 月曜日に89歳男性が尿閉で救急搬入されたが、肺病変があり、内科に入院した。救急当番だった内科の若い先生が担当となったが、治療について相談を受けていた。

 胸膜肥厚と石灰化があり、石綿肺と判断された。職業はと訊くと、農家と土建業と答えた。石綿暴露があった可能性があるが、はっきりしないかった。胸水貯留(右>左)があり、右肺S6に腫瘤とも浸潤影とも確定できない病変を認めた。心嚢液貯留も気になる。

 とりあえずスルバシリン(ABPC/SBT)で開始して、木曜日の呼吸器科外来に来ている先生(大学病院から)に相談することにした。

 抗菌薬投与後は、搬入時の白血球12400・CRP9.1が、白血球10600・CRP16.2、さらに白血球6100・CRP6.2と軽快してきた。CRPの動きから見ると、搬入されたのは発症して間がない時期ということになる。

 診てもらうと、やはり腫瘤か浸潤影か鑑別は難しいので、抗菌薬を継続して経過をみてください、ということだった。抗菌薬は約2週間の投与になる見込みだ。来週も経過をみてもらうが、来年度も当院に来てもらえるのはありがたい。特に抗酸菌感染に強い先生であり、いつも相談すると親切丁寧に教えてくれる。

 家族は在宅介護は困難で施設入所を希望している。食事摂取もまずまずできているが、筋力低下で自力でトイレ歩行はできそうもない。

 

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