なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

当直お疲れ様でした

2020年03月06日 | Weblog

 水曜日は内科の若い先生が当直だった。受診数は少なかったが、なかなかの内容があった。

 78歳男性が発熱・右季肋部痛で受診した。肝機能障害(ALP 1335・AST 300・ALT 184・γ-GTP 482・総ビリルビン1.2)があり、炎症反応上昇もあった(WBC 10700・CRP 1.2)。

 腹部CTで総胆管結石を認めた。総胆管結石・胆管炎として内視鏡治療のできる地域の基幹病院に搬送していた。

 胃切除術後の意味がわかっていないので、たぶん受けてくれた先方の当直医は消化器内科医ではない。

 この患者さんは40歳代で胃切除術を受けていて、CTで見るとビルロートⅡ法なので、通常の十二指腸用の内視鏡はできない。直視鏡を使用して輸入脚を空腸から十二指腸へ逆に入っていく高度な手技になり、普段は他施設への紹介を指示されていた。

 

 その後に87歳女性が息切れで救急搬入された。昨年11月から2月半ばまで外科に入院していた。外科の女性医師が自分の当直の時に入院させて診てくれていたのだった。入院中に肺血栓塞栓症も併発して、長い入院になっていた。

 今回は両側胸水貯留・肺うっ血(水腫)を認めて、BNP478と上昇していた。白血球8500・CRP1.1と炎症反応の軽度に上昇していて、肺炎併発もあるかもしれないが、主には心不全だった。

 

 内科入院にして、利尿薬投与で治療していた。入院後は尿量も充分確保できて、症状は軽減しているようだ。ただこの患者さんは認知症があり、前回入院時も病棟で苦労したらしい。ナースステーションの隣の重症個室に入れていたが、病状のためというよりは不穏がひどく、廊下に響く声で叫んでいた。

 

 午前4時には、76歳女性が奇異な症状で救急搬入されていた。訴えは喉が痛い、めまいがする、胸が痛いということだった。夫の話では、壁をたたき続ける、夫の胸を押し続ける、包丁を持ち出して「殺してくれ」と叫ぶという行動が毎日あったそうだ。

 起き上がってクルクルと回り続けたり、箸で茶碗を鳴らし続けるという行動があり、夜間も繰り返すために救急要請したのだった。患者さんは救急車から普通に歩いて救急室に入っている。

 この患者さんは、認知症?、治療されていない統合失調症?、人格障害?、の何に当るのだろうか。

 若い先生は、一通り診察、検査を行って内科的に異常がないのを確認して、精神科病院への診療情報提供書を書いていた。立派な対応だったが、お疲れ様でした。

 

 

 

 

 

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