なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

抗凝固薬・抗血小板薬の功罪

2020年03月23日 | Weblog

 自己免疫性肝炎・ステロイド糖尿病で通院している87歳女性は、施設に入所している。施設から家族が連れてきていたが、今は施設も不要不急な家族の面会は控えてもらっているそうだ。

 今日は患者さん本人が(病気がうつる心配があるので)病院に行きたくないと言っている、また施設も外出させたくない、ということで家族が薬だけ取りに来た。

 この患者さんは先日血便が続いて入院した。寝たきり状態で、大腸検査も受けたくないので腹部CT検査だけだが、S状結腸~下行結腸の壁肥厚などから虚血性腸炎と思われた。貧血の進行で2日間輸血をした(濃厚赤血球400ずつ)。

 2年前に左下肢深部静脈血栓症で入院して、その後も内服していたは抗凝固薬を中止とした。血便は治まったが、抗凝固薬を中止していても全身の皮下出血が目立ち、家族と相談してそのまま中止することにした。寝たきり状態なので深部静脈血栓症が再発する可能性が高いが、その時はその時で判断することにした。

 老年期うつ病で食欲不振と厭世的な発言が続いて入院したこともある。大分いいのかとも思っていたが、血便で入院して軽快退院する時も、早く死にたいと言っていた(口癖ではある)。

 

 今日内科再来を受診するはずだった、88歳男性は予約キャンセルになっていた。脳出血で地域の基幹病院に入院したそうだ。この患者さんは脳梗塞後遺症・症候性てんかんで、抗血小板薬(抗てんかん薬も)を処方していた。今回はそれが裏目に出た(出血の助長)ことになる。

 一人暮らしで娘さんが時々訪問して生活していた。身体の動きはよくないが、もともと料理人だったので材料があれば食事を作るのに困らないと言っていた。

 急性期を乗り切ったら、リハビリあるいは療養のために当院に転院してくるはずだが、どの程度の症状なのだろうか。

 

 

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