なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

久しぶりの慢性膵炎・糖尿病

2020年03月24日 | Weblog

 昨日、62歳女性が発熱で内科新患(大学病院からバイト)を受診した。尿路感染症と糖尿病の悪化で入院治療が必要と判断された。内科の若い先生に依頼がいって入院させていた。病棟にいる時に、入院になった患者さんの名前を見て、どこかで見たようなと思ったがすぐにはわからなかった。

 退院サマリーで入院履歴を確認して思い出した。10年前(53歳時)に膝の半月板損傷で整形外科を受診して、手術を要すると判断されたが、未治療の糖尿病があり、HbA1cが11%台だった。いったん内科に入院して、血糖コントロールがついてから手術をすることになった。

 普通の糖尿病とは違い、膵臓全体に石灰化を認め、アルコール性の慢性膵炎だった。つまり膵性糖尿病になる。そうなるとグルカゴン低下もあって低血糖になりやすいので、その点に注意を要した。インスリン強化療法を行って、血糖コントロールがついてから整形外科で手術を受けた。

 退院後に通院はしていたが、次の年に血糖コントロール不良で糖尿病教育入院となった。さらにその後は少し通院したが、治療を中断していた。

 3年前に発熱で外来を受診した時は、右膿胸を呈していた。胸腔ドレナージを要するので、地域の基幹病院呼吸器内科に紹介した。入院中に同院の糖尿病代謝科で治療を受けて(中断して5年後)、インスリン強化療法が再開された。

 退院後は当院の糖尿病外来(大学病院から)に紹介された。診察記事に、胸腔ドレーンを挿入した部位が少し痛いという記載がある。2回通院したが、すぐに治療を中断していた。

 そして3年ぶりの今回だが、HbA1cは11.3%だった。神経因性膀胱で軽度の両側尿管拡張・水腎症を伴っている。以前は間欠自己導尿をしていた。またインスリン強化療法が開始された。若い先生は今週いっぱいで内科専攻医のホスト病院に戻るので、その後は当方が引き継ぐことになる。

 

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