なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

どこからニボー

2020年03月12日 | Weblog

 水曜日の午前3時に70歳女性が腹痛で救急外来を受診した。間欠的な腹痛だった。虫垂切除術の既往がある。当直の外科医(大学病院からのバイト)は腹部X線でニボーなしとして、ブスコパン処方で帰宅とした。

 日中にかかりつけの内科医院を受診して、午前11時に当院の外科医(内科医院の先生の弟)に紹介された。紹介状はシンプルで、「病名イレウス 腹痛で受診。X線とエコーで上記疾患が疑われます。ご高診よろしくお願いします。」

 腹部X線では明らかにニボーを認めた。腹部CTでは、立位腹部X線の上下方向の鏡面形成ではなく、前後方向の鏡面形成になる。腹部所見は絞扼性腸閉塞を示唆するものではなく、癒着性腸閉塞としてイレウスチューブ挿入で保存的に治療することになった。

 後でわかってからみているのもあるが、最初の受診時から立位腹部X線はニボーあり?。CTのない内科医院では腹部エコーをしていたが、初診時にエコーで見ていれば腸閉塞とわかるかもしれない。8時間の経過で腸閉塞が出来上がってくる経過をみたことになる。

 

 窪田忠夫先生によれば、機械的に閉塞している場合は「腸閉塞(小腸閉塞)」で、閉塞部位がなびまん性に腸管拡張している場合はイレウス(麻痺性イレウス)と呼ぶ。小腸のニボーは腸管のびまん性拡張があれば出現するので、閉塞の有無とは関係ない。

 ところで、ニボーNiveau(鏡面形成air fluid level)は正式名称でいいのだろうか。

コメント (1)
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