なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

慢性硬膜下血腫

2018年09月25日 | Weblog

 今日は内科新患の担当する先生がいないので、再来を見ながら自分で診るしかない。連休明けで受診が多いかと思われたが、予想よりは少なかった。施設から紹介の患者さんもいたが、午後3時には何とか終わった。

 そのうちのひとり、88歳女性が娘さんに連れられて受診した。普段入浴はひとりでしていたそうだが、昨日は浴槽から上がれなくなって同居してる娘さんを呼んだ。2階にいた娘さんがやっと気づいて浴室に見に行った。娘さん夫婦が二人がかりでやっと浴槽からあげた。四肢の脱力があったという話だが、正確には半身なのか四肢なのか両下肢なのかわからない。

 今日はどうですかと訊くと、ほとんど普段の状態に戻っているという。意識清明で難聴はあるが普通に会話ができる。以前からの足の痛みを訴え始めるので、娘さんにそれは前からでしょうと言われていた。

 車いすに座っていたが、上肢の左右差はなかった。介助して横臥させて、また起こしたりしたが、88歳だとこのくらいかと思うくらいには動いていた。

 当初は一過性虚血発作で半身に軽度の麻痺が出て、それが回復したのかと思った。頭部CTよりは頭部MRIでみる方がいいと判断した。放射線科に訊いてみると、予約の患者さんがいるのですぐにはできないが、待っていればできるということだった。

 他の患者さんの検査結果を見ていると、放射線科の技師さんから連絡がきた。硬膜下血腫があるが、MRIはある程度で切り上げて、CTにしましょうかという。頭部CTにすればよかったと思いながら、そうしてもらった。いつもは脳梗塞疑いでも、まず頭部CTで出血がないか確認して(すでに梗塞巣が出現しているかどうかの確認も)、それから頭部MRIにしている。今日は最初からMRIにしてしまった。

 CT室に行くと、ちょうどCTが終わったところだった、改めて娘さんに訊いてみると、1週間前から動きが鈍くなっていたらしい(年齢のわりにすいすい動いていたことになる)。その時でも患者さんは問いかけにハキハキ答えていたが、やはり1週間前からいつもより応答が鈍い感じはしていたそうだ。頭部打撲は患者さんも娘さんもわからないという。

 基幹病院の脳外科医に連絡すると、家族の車ではなく救急搬送する様にという指示だったので、ありがたく搬送させてもらった。この症状の経緯で、昨日悪化したのは、慢性硬膜下血腫に新規の出血が加わったと判断するのだろうか。血腫のうち、前頭葉のところはCTで白く(高濃度に)写っている。

 

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