先週AST(抗菌薬適正使用支援チーム)から、梅毒の患者さんがいました、と報告があった。モンゴルから当地に来ている21歳男性だった。農業か工業かわからないが、いわゆる技術研修に来ているらしい。その時は、日本に来てからの感染なのか、来る前からの感染なのかという話になった。今日、カルテを確認した。
陰茎の腫脹と尿道口からの排膿を訴えて、7月末に当院の泌尿器科外来(当院は日替わりの非常勤医のみ)を受診した。問診では、前月に外国人(どこの国?)とセックスをしたと記載されている。鼠径リンパ節腫脹もあった。淋菌感染が疑われていた。
最初に診察した先生は尿培養(通常の)だけ提出して、アジスロマイシンを1日分とレボフロキサシンを処方していた。ここは、セフトリアキソンン1回点滴静注+アジスロマイシン2g1回にするところだろうか。
同じ先生の外来を2回受診したが、症状が改善しないため、別の先生の外来を受診したようだ。淋菌とクラミジアの検査は陰性だった。RPRとTPHAが検査されて、両者とも陽性だった。HIVも検査すべきだが、ことばが通じないので後日にする、とあった。抗菌薬はグレースビットが処方されていた。ここは普通にアモキシシリンか。
陰茎に無痛性の潰瘍形成とは記載されていない。症状は淋菌感染(and クラミジア感染?)のようだが、どう解釈したらいいのだろう。梅毒感染は間違いないとして、淋菌感染・クラミジア感染・HIV感染の関与はあるのかないのか。