なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

上腸間膜動脈血栓塞栓症

2018年09月12日 | Weblog

 今日の午前5時過ごろに86歳男性が腹痛で救急外来を受診した。5日前から嘔気・腹痛・下痢が続いた。昨日の朝に腹痛が強くなって、午前中に内科医院を受診した。症状から胃腸炎と診断されている。

 当直は若い外科医(大学病院から応援=バイト)だった。造影CTを行って、上腸間膜動脈近位部の閉塞と診断した。心電図は心房細動だった。検査結果が出そろう頃にはちょうど常勤医が出勤していたので(外科医は朝早くから来ている)、手術の準備が進められて、午前中に緊急手術になった。

 お昼に主治医となった外科医に手術所見を訊いてみたが、小腸を広範に切除したそうだ。まだ助かるかどうかはわからない。

 最初は胃腸炎で、下痢して脱水傾向になったことが影響したのかもということだった。おそらく上腸間膜動脈血栓塞栓症の発症は前日朝で24時間以上経過している。

 下痢で受診して、血管病変だと早期には腹部所見が軽度なので、最初に診ると診断は難しいだろう。さらに下痢していたと訴えての受診だから、なおさら難しい。

コメント (1)
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