なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

紹介した覚えが

2018年09月19日 | Weblog

 心臓血管センターのある専門病院から診療情報提供書の返事が来ていた。最近紹介した覚えがなかったが、宛名として当方と当院の外科医の名前が連名で記載されていた。

 紹介搬送したのは先々週の木曜日の夜間だった。その日当直は外科医で、診療時に科目選択を内科にして受け付けていて、そのまま紹介状を書いたので、紹介医師が内科○○○(実際は外科医)となっていた。先方の病院では、当院内科にその名前はないので、非常勤医と判断して、常勤医である当方の名前も記載したのだろう。

 患者さんは63歳男性で、胸部苦悶・動悸を訴えて受診した。心電図では頻脈性心房細動だった。頻脈性心房細動だとST低下を伴う波形になるが、その時の市電図ではV3-6、Ⅰ・aVL、Ⅱ・Ⅲ・aVFでST低下とT波の陰性化がかなり目立った。トロポニン上昇もあり、急性冠症候群(ACS)疑いで紹介搬送していた。

 血行動態は維持されていたが、電気的除細動を行って洞調律に戻したそうだ。心エコー検査で肥大型心筋症(大動脈弁狭窄症もある)と診断されて、目立つST低下とT波の陰性化はそのためだった。アミオダロンで洞調律が維持されているが、頻脈性心房細動が再発すると突然死の危険があるので、カテーテルアブレーションを考慮しているとあった。なるほど。

 

 いつも前日の当直帯で受診した患者さんを電子カルテ上でチェックしている。さまざまな疾患があり、自分が直接診察したらどうするかというシミュレーションになり、いい勉強法だと思う。

 上記の患者さんも確認はしていて、ああ搬送したんだと思ったのを思い出した。その日の当直では、66歳男性が胸痛で明け方に受診していて、そちらの方が印象的でよく覚えている。父親が心筋梗塞になっているので、自分もそうかと思って受診していた。心電図では虚血性変化を指摘できず、心原性酵素の上昇もなかった。

 症状はACSそのもので、検査結果が出た頃はもう通常勤務が始まるころだったので、そのまま循環器科に引き継がれた。(当院の循環器科はマンパワーの問題で平日の勤務時間内しか対応していない)

 緊急心臓カテーテル検査が行われた。右冠動脈が閉塞していて(#2)、すぐにPCIが行われた。左回旋枝(#11)にも狭窄があり、後日PCIが行われている。

 心臓カテーテル検査でこれだけの所見があるのに(初期には)心電図に反映されなのものだと興味深かった。時間の問題であり、心電図を繰り返し検査すると典型的な変化が出るのだろう。

 

  

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