なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

歩けなくなった76歳女性

2014年10月01日 | Weblog

 昨日夕方から、一昨日交通外傷で入院した21歳女性が緊急手術になった。造影胸腹部CTで十二指腸周囲に出血と判断される液体が不規則に貯留していた。救急当番の外科医が手術に入ったため、救急外来に搬入された76歳女性を診た。

 9月初めにかかりつけの内科クリニックを受診して、処方が変わった。その後から?しだいに動けなくなり、認知力も低下してきた。クリニックを受診してそのまま当院に救急搬入された。生年月日が出てくるまで時間がかかった。年月日は月のみ合っていて、年と日は違った。上肢下肢の筋力はあるが、バランスがとれなくて歩行できなくなったようだ。

 慢性硬膜下血腫を疑って頭部CTを行ったが、頭蓋内出血はなかった。脳室が拡張しているので脳萎縮ととっていいのだろう。しつこく頭部MRIも行ったが、脳梗塞も脳炎もなかった。この方は6年前に紹介先のクリニックの依頼で頭部MRIを受けていた。その時から脳室拡大はあり、今回と変わりはなかった。家族の話では今月急に認知力低下が生じたように言っていたが、もともと低下していたのではないか。明らかなか感染症もなかった。

 薬手帳を確認すると、以前から抗うつ薬として、ドグマチールとパキシルが処方されていた。9月初めに、ドグマチールが中止になって、アモキサンとメイラックスが追加になっていた。処方薬の影響が考えられので、アモキサンとメイラックスは中止して経過をみることにした。

 ケアネットTVで、生坂政臣先生の診断の講義と前野哲博先生の不定愁訴の講義(プライマリケア学会での)を見ていた。本物の総合診療医はすごい。

コメント
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