なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

整形外科から低酸素血症2名

2014年10月15日 | Weblog

 整形外科入院中の患者さんたちが低酸素血症になったと相談された。1名は左大腿骨転子部骨折の術後の89歳男性だった。喫煙歴があり、かかりつけ医の処方には気管支拡張薬が入っていた。もともとCOPDがある。ポータブルX線で右肺炎があった。どうも入院時のX線にも右中葉に浸潤影が軽度にあったようだ。白血球増加とCRP上昇がある。喀痰培養はすでに提出されていた(良質な痰かどうかは不明)。胸部CTで確認すると、右中葉に浸潤影があり、右肺背部に浸潤影が広がっていた。誤嚥性肺炎だろう。絶食にして(痰がからんですでに食べられない)、点滴と抗菌薬(ゾシン)を開始した。そのうち病棟から酸素飽和度が下がったと連絡があった。昼にはなかった喘鳴が聴取される。肺炎併発によるCOPDの増悪と判断され、デカドロン点滴静注と気管支拡張薬を開始した。認知症があり、酸素マスクをすぐに手で吹っ飛ばしてしまう。血液ガスでは、酸素飽和度でみるよりも値はよかった。

 もうひとりは90歳女性で右上腕骨骨折術後だった。入院時も酸素飽和度も90%くらいだったそうだ。術後にリハビリを始めようとしたところ、酸素飽和度が80%に下がるので、中止になったという。患者さんは何ということもなく(苦痛表情もなく)、普通に横臥していた。酸素飽和度は80%台後半だった。浮腫はない。呼吸音にも問題ない。あるとすれば肺血栓塞栓か。と思われた。血液ガスをとると、酸素分圧は50mmHg台だった。酸素吸入を開始して、明日検査することにした。

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