なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

糖尿病性ケトアシドーシス

2014年10月28日 | Weblog

 朝病棟で入院患者さんの指示を出していると、地域医療連携室から連絡が入った。内科クリニックから動けなくなっている59歳男性の紹介が来ているという。何だかわからないので、FAXで送られてきた紹介状を見ると、糖尿病で脱水症・高血糖を呈している。健診で糖尿病を指摘(HbA1c8%)の記載があり、2型糖尿病で治療を受けずに放置していた患者さんが悪化したもののようだ。明日から学会で不在なので、今日内科新患担当の若い先生にお願いすることにした。動けないので、救急搬入となった。

 検査結果が出たころに救急室に見に行った。ぼやっとしている印象はあるが、会話は可能だった。血糖1100mg/dlと高値だった。動脈血のpH7.2、血中ケトン体陽性でケトアシドーシスだった。血算で著しい濃縮を認める。採血が大変だったそうだ。急性腎前性腎不全を呈していて、血清カリウム6.7。心電図は洞性頻脈のみで、電解質異常の波形はない。

 ついてきた母親の話では4月に仕事を辞めたという。解雇になったのか、自分で辞めたのかはわからない(解雇かな)。独身で母親と二人暮らしだった。父親は心臓病で30歳代に死亡している。母親の兄弟に糖尿病の人がいるらしい。父親方はわからないそうだ。最近ずっと体調が悪そうにしていたが、動けなくなったのは2-3日前からだという。昨日倒れそうになりながらも内科クリニックを受診した。今日検査結果が判明して、あまりの悪さに驚いて当院紹介になったという経緯だった。

 生食500mlをとりあえず4本早めに入れて、その後も生食で継続する。生食50ml+ヒューマリンR50単位の点滴を開始した。午後の採血結果で少しずつ改善してほしいところだ。

 2型糖尿病でいいのだろうか。最近食事がとれなくなってからは、コーラと牛乳だけ飲んでいたという。ペットボトル症候群(ソフトドリンクケトーシス)も加わってということなのか。抗GAD抗体とCペプチドの結果(外注)を見てみないと何ともいえない。

コメント
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