なんでも内科診療日誌

とりあえず何でも診ている内科の診療記録

今日は日直ー心不全、貧血

2014年10月26日 | Weblog

 今日は日直で病院に来ている。86歳男性が3日前から食事をとれなくなって、救急搬入された。3日前に立ち上がった時に、意識消失したために、家族(妻)が救急要請した。救急隊が到着した時には意識が回復していて、病院への搬送を拒否したそうだ。家で死にたいと言ったらしい。その後、食べられなくなって、今日に至った。室内を歩行器を使って少しいどうする程度のADLだった。物忘れも進んでいるが、元歯科医師で受け答えは年齢を考慮すると立派なのかもしれない。頭部CTは脳萎縮と陳旧性ラクナ梗塞くらいで、慢性硬膜下血腫はなかった。結膜の所見では貧血とはとれないが、血液検査ではHb7.8と貧血だった。当院の泌尿器科外来に通院していて、以前の検査を見るとHbは12だが、先月は11で若干下がっていたのかもしれない。

 吐血・タール便はない。腹部CTでみると腸管のガスが目立つが、明らかな大腸癌はない。胃は少なくとも胃角上部から幽門にかけて腫瘍はない。噴門から胃体にかけての胃粘膜は不整にも見えるが、この部位はCTでは読めない。血圧130でバイタル的には問題ない。3日前に出血して、あるいは亜急性に進行してきた貧血が閾値を超えたため、一過性に意識消失したと思われる。ちょっと迷ったが入院して明日の午前中に胃内視鏡検査をすることにした。今日は2単位輸血する。

 86歳男性が息切れで受診した。心房細動・心不全などで、経緯は不明だが消化器科の外来に通院していた。以前に消化器疾患があったか、EMRなどの処置を受けた後にも通院継続となったのかもしれない。今月初めの胸部X線で両側胸水があり、ラシックス20mg内服が追加されていた。3日前から息切れが続いて、今日受診した。酸素飽和度は94%(室内気)だった。労作時、といってもゆっくり歩くだけだが、その時に息切れが目立つ。目立つほどの頻脈ではなかった。虚血性変化の併発も心電図で見る限りはなさそうだ。循環器科に相談してもいいのだろうが、まずは持続点滴を避けて、ラシックス20mg筋注して、明日から利尿薬追加(ダイアート30mg・アルダクトンA25mg)で経過をることにした。

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