晴れ、ときどき映画三昧

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「オーバードライヴ」(13・米)70点

2015-07-14 11:47:07 | (米国) 2010~15

 ・ 演技派転向?のザ・ロックが魅せたサスペンス・アクション。

                   

 スタントマン出身という異色の監督リック・ローマン・ウォーが、ザ・ロックことドウェン・ジョンソン主演の映画といえば、「ワイルド・スピード」シリーズのようなバリバリの肉体派アクションを想像する。

 確かに邦題が示すように、カーチェイスは充分な迫力でファンの期待は裏切らない。原題は「Snitch(密告者)」で、D・ジョンソンの演技力を堪能できる。

 運送会社経営のジョン・マシューズ(D・ジョンソン)は、離婚した妻シルヴィー(メリーナ・カナカレデス)から18歳の息子ジェイソン(ラフィ・ガヴロン)が麻薬売買容疑で逮捕されたとの、連絡を受ける。

 米国では麻薬売人の容疑者が減刑を狙い、他の麻薬犯罪者を密告するという理不尽ともいえるシステムがあるそうだ。麻薬にちょっぴり興味のあったジェイソンは友人の罠に嵌ったのだ。

 何とかジェイソンを救おうと、連邦検事ジョアン・キーガン(スーザン・サランドン)と掛け合い麻薬捜査局に協力して危険な潜入捜査に挑むことに。

 冒頭、<実際の出来事を基にした>ドラマであるとのクレジットが入るが、決してドキュメント風ではなく、緊迫感のあるアクションものに仕上がっている。

 違うのは大スターD・ジョンソン演じるジョンのキャクター設定。大男だが、潜入に失敗して袋叩きにあったり、売人マリークにピストルを突き付けられオドオドする素振りは、ロック様のファンには耐えられない?シークエンス。

 息子への愛情一筋で危険な罠に飛び込む命がけの行動は、別れたとはいえ家族との絆が何より大事というアメリカらしい父親像。

 もうひとり従業員の元麻薬売人ダニエル・ジェームズ(ジョン・バーンサル)の存在も見逃せない。足を洗って真面目に生きようとするが、貧しい生活から抜け出したいために命がけの協力をする。

 マシューズは機転と勇気を振り絞り、売人の囮捜査に成功するが、キーガン検事は大型麻薬カルテットの一掃を狙い逮捕を見送る。

 10万ドルの報酬より息子の減刑が目的だったマシューズは、息子の釈放と引き換えに元締めエル・ポトの現金輸送を買って出る。

 終盤での18輪大型トレーラーを駆ってのカーチェイスは、監督最大の見せ場でナカナカの緊迫感でD・ジョンソンも本領発揮。

 父と息子の愛で包んだこのアクションは、ほんの出来心さえ許さず手段を選ばず麻薬撲滅を狙うアメリカ社会の深い悩みが浮き彫りにされたドラマでもあった。

 


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