晴れ、ときどき映画三昧

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「デジャブ」(06・米)70点

2022-12-02 12:01:45 | (米国) 2000~09 


 ・<過去は変えられるか?>をモチーフにしたサスペンス・アクション。


 トニー・スコット監督✕デンゼル・ワシントン主演による一大エンタテインメント。題名の「デジャブ」とは<体験したことが無いことを体験したことがあるように感じること>。

 06年2月28日マルディグラの日。ニューオリンズ・カナルストリートで500名以上の犠牲者がでたフェリー事故が発生。FBI特別捜査班によると原因はテロによる爆弾によるものであり、現場近くで発見された女性の死体は殺害されたものと判明した。ATF(アルコール・タバコ・火器局)捜査官であるダグ・カーリン(D・ワシントン)は、FBIの協力要請を受けスノーホワイトという監視システムに案内された。

 巨大なタイムウィンドウであるスノーホワイトを開発したデニー博士(アダム・ゴールドバーグ)によると<4日間と6時間の映像>で一度しか観られないが、場所を特定さえすればあらゆる角度からリアル情報が得られるという。
 女性死体のクレア(ポーラ・パットン)に既視感を感じたダグは、爆弾事件と関係あると睨み彼女の自宅映像を再現し彼女に赤いペンライトをかざすとそのライトに反応した。ボードには<U can SAVe heR>とのマグネット文字が・・・。

 スノーホワイトには過去を変えられる機能があるのでは?単なる監視装置ではないと察したダグは、試しに過去の自分にメモを送ると机上に置かれるがそれを観たのは相棒のラリー(マット・クレイヴン)だった。

 楽しそうなマルディグラのお祭りシーンからフェリーの爆破事故発生のリアルなサスペンス・タッチで始まったドラマは、スノーホワイトなる先端装置の登場から一気に転調しパラレルワールドとなっていく。

 これはスコット監督より製作のジェリー・ブラッカイマーの意向でシナリオが書かれ、お得意の壮大なSFアクション・エンタテインメントの世界へ変貌していったとのこと。

 ダグは監視外領域にもかかわらず博士の忠告も承知で、過去が見えるゴーグルでタイムラグのある危険なカーアクションに挑んだり、あらゆる手段でフェリーの大爆破やクレアの死を免れるため奔走。まさに過去を変えようとする。

 D・ワシントンの安定感ある演技とP・パットンのスタイリッシュな美しさを堪能し、かなり凝った映像やダイナミックなアクションで細かいことを気にせず流れに任せ観ていればそれなりに楽しめる。

 ただ時間軸をかなり複雑にしたうえ、伏線をあちこちに配置した進行は一度観ただけではとても回収しきれない。一部のマニアには大絶賛と聴くが、筆者のような単純な思考回路ではついて行けなかった。

 ふたりが再会した?ラストシーンは題名を思わせる洒落たエンディングだったが、果たしてハッピーエンドか?それとも悲劇なのだろうか?