晴れ、ときどき映画三昧

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『レッドクリフ PartII -未来への最終決戦-』 75点

2009-04-11 12:49:01 | (米国) 2000~09 




レッドクリフ PartII -未来への最終決戦-


2009年/アメリカ=中国=日本=台湾=韓国






過ぎたるは...の感は否めない








総合★★★★☆
75



ストーリー

★★★★☆
75点




キャスト

★★★★☆
80点




演出

★★★★☆
75点




ビジュアル

★★★★☆
80点




音楽

★★★★☆
75点





三国志最大の山場「赤壁の戦い」のPART2完結編。製作費100億円を賭けたジョン・ウー監督の一大スペクタル。三国志の予備知識やPART1を知らなくても充分楽しめる。
80万の魏の丞相・曹操(チャン・フォンイー)軍に挑む5万の劉備、呉・孫権連合軍。どのように戦いを挑んだか?そこには相手の裏をかいて臨機応変に合戦をしたかが醍醐味。
PART1で登場人物を描くことに終始苦労したJ・ウー監督は、ここでは大胆に省略することで問題をクリアし、のびのびと描いている。その分、敵同士ながら一時の同盟を結ぶ、三国志ファンが持つ従来のイメージとは程遠い、呉の大都督・周瑜(トニー・レオン)と劉備の軍師・孔明(金城武)の信義の篤い友情物語を柱に据えている。
有名な船と船を繋ぐ「連環の計」や孔明が10万本の矢を調達する逸話はしっかり描かれているが、尚香(ヴィッキー・チャオ)の間諜ぶりと敵兵の友情はあまりにも劇画チック。もうひとりの周瑜の妻・小喬(リン・チーリン)といいJ・ウーの女優の描写は類型的。とはいえ涙腺をくすぐるところでもある。
チャン・フォンイーが演じた敵役・曹操の人物像が、最も人間的に描かれていて存在感があったのは皮肉な結果。
最大の見せ場は、ここまでやるかというほど徹底した火薬爆発が果てしなく続く合戦シーン。大迫力でファンにとっては堪らない魅力なのだろうが、過ぎたるは...の感は否めない。
騎馬の戦闘や矢の雨が降る合戦シーンなど黒澤明を多分に意識した作りが目に付く。周瑜が語る台詞は、「七人の侍」の志村喬とオーバーラップして思わず失笑を禁じえない。
予告編のPART1で期待してpart2の本編でそれ程でもなかったという典型。