晴れ、ときどき映画三昧

映画は時代を反映した疑似体験と総合娯楽。
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『レッドクリフ Part I』 80点

2008-11-22 16:41:20 | (米国) 2000~09 




レッドクリフ Part I


2008年/アメリカ=中国=日本=台湾=韓国






まさに「雅俗共賞」の物語








総合★★★★☆
80



ストーリー

★★★★☆
80点




キャスト

★★★★☆
85点




演出

★★★★☆
80点




ビジュアル

★★★★☆
85点




音楽

★★★★☆
80点





<三国志で有名な「赤壁の戦い」まで>を「フェイス/オフ」「M:iー2」のジョン・ウー監督が念願の映画化。中国を中心に米・日・韓・台・香の6ヶ国(地域)共同制作で、アジアのスターが勢揃いしている。
西暦208年の漢末期・曹操(チャン・フォンイー)軍に追われる劉備(ユウ・ヨン)軍は人民を守りながら敗走するうち、劉備の妻子と離れ離れになってしまう。勇敢な部下である趙雲(フー・ジュン)は単身で救いに戻り、生まれたばかりの吾子を連れ帰るが、妻は吾が子を救うため井戸へ身を投げてしまう。劉備軍の天才軍師・孔明(金城武)は唯一曹操に屈服しない呉と同盟を結ぶために若き君主・孫権(チャン・チェン)を訪れる。そこには孫権が兄とも慕う周瑜(トニー・レオン)がいる。
三国志ファン待望の製作費100億円の超大作だが、予備知識がなくても楽しめるよう冒頭簡単なナレーションや人物紹介のクレジットが入っていたり、とても親切な作りとなっている。そこはNHK大河ドラマを想わせ、製作のテレス・チャンがいう<知識人も大衆も共に楽しめる「雅俗共賞」作品>の風情である。
若い頃読んだ吉川英治の「三国志」を期待したが趣きが違っていて、周瑜と孔明の友情を主題とした<ジョン・ウー版三国志>として楽しめた。何よりも数千人のエキストラや200頭の馬を使った戦闘シーンが圧巻だ。有名な「九官八卦の陣」ではハイスピード・カメラやVFXを駆使しまるで大画面でゲームを楽しむような感覚に陥り息つく閑もない。
三国志には必ず固有のファンがいるためか、関羽・張飛などの将軍達夫々に見せ場を作ってくれていてサービス精神満点。甘寧がモデルと思われる甘興役の中村獅童も頑張っていた。おまけに周瑜とその美しい妻・小喬(リン・チーリン)とのラブ・シーンまであって、観客を飽きさせない。
トニー・レオンは孔明のほうがイメージに合うが、人徳があり尚且つ勇敢な周瑜役をこなして堂々たる主演振り。悪役ながら曹操役のチャン・フォンイーが人間味溢れる存在感たっぷりな演技で流石。PART2も楽しみである。