あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

瀬戸内シーカヤック日記: しまなみ海道_生名島&弓削島、キャンプツーリング

2010年06月20日 | 旅するシーカヤック
瀬戸内地方も梅雨入りし、ツーリングプランが立てにくい季節がやってきた。 この時期は、前線の動き一つで雨が降ったり晴れたりするので、週間天気予報はあてにならない。
この週末も、直前まで諦めていたのだが、金曜日の昼に確認すると、生名島のある愛媛県の上島町は土日は曇りの予報。 『うん、これならなんとか行けそうだ!』

いつもお世話になっているキャンプ場の管理人さんに連絡。 『こんにちは。 明日、雨が降らなければ伺いますので、よろしくお願いします』
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2010年6月19日(土) 朝起きると予報通り曇りだが、空を見ると晴れ間も覗きそうな気配を見せている。 昨日の夜のうちにシーカヤックはカートップしていたので、朝ご飯を食べるとすぐに出発だ。

雨マークって何? って感じのツーリング日和。 安全装備を積み込み、出発準備完了。

さて、今日はどこへ行こう? いつも岩城島ばかりなので、久し振りに弓削に行ってみようか。 そうだ、このまえ豊島の宿の方に教えていただいた島のカフェで昼ご飯を食べる事にしよう! と言う訳で、今日の目的地は弓削のカフェに決定。

浜を漕ぎ出し、生名島と因島との間の瀬戸を超えて、因島の南岸に渡る。

途中、生名大橋完成に向けて整備が進んでいる桟橋を通過。 年に何度も訪れて定点観測しているので、進捗状況が良く分かる。
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因島の南岸に沿って漕ぎ進む。 この辺りは造船所。 見ると、『そうや』と書かれた海上保安庁の船がドック入りしていた。

確かこの『そうや』は、北の海で働いており、砕氷船としての機能も持っているはずだ。 近付いてみると、その船底は厚い氷と格闘した痕跡が!
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因島から弓削島に渡り、浜にカヤックを引き揚げる。 さあ、カフェに行ってみようか。

11時過ぎ。 静かなカフェに入り、ランチを注文した。 ランチは、『レモン豚のソテー』をセレクト。

おいしいランチをいただき、食後のコーヒーをゆっくりと楽しむ。 『ごちそうさまでした』 次回は、『レモン豚丼』を頼んでみよう!
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食事を終え、カヤックを揚げた浜まで歩いている途中、『しまなみ交流館』に立ち寄ると、あるポスターが貼られていた。

『宮本常一がみた芸予の海とその暮らし』 2010年6月1日~6月30日、せとうち交流館 とある。
その下を見ると、『講演 宮本常一と内海離島』 日付は、6月19日(土) ??? えー、6月19日って今日じゃん。
大崎上島の方から、この瀬戸内巡回展の事は聞いており、森本孝さんが講演される三原の講演会に行くつもりにはしていたが、弓削島での講演会の事は全く失念していた。

偶然漕いできた弓削島で、今日の午後に宮本常一に関わる講演会が行われる。 うーん、これってやはり『偶然を装った必然』か! これは行くしかない。

講演会は午後2時から4時まで。 このまま参加して、終わった後に夕食を買い出ししてカヤックで帰ってもいいが、それだと遅くなる。 今は? 12時半。
ダッシュで生名まで戻れば、たしか2時前の高速艇があったはず。 なんとか間に合うだろう。

急いでカヤックに戻り、逆潮の中、猛ダッシュで生名島へ漕ぎ戻る。 13時10分、浜へ到着。 なんとか間に合いそうだ。
カヤックを引き揚げ、道具を片付け、シャワーを浴びて着替える。 車で生名港へ。 なんとか13時55分の船に乗ることができた。
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今日の講師は、日本離島センターの大谷内さん。 会場はほぼ満席で盛況である。

瀬戸内・中四国県構想、島と島とのネットワークの重要性、などなど、離島を良く知る大谷内さんの講演は、これまで聞いた宮本常一関連の講演とは一味違うものであった。

うーん、またまた偶然を装った必然で、この講演会に参加させていただくことができた。 宮本常一氏のように、全国を、そして世界をあるくことはできないが、芸予諸島のことなら誰よりも知っていると言われるようになることを目標に、シーカヤックで島々を訪問し、私なりのスタイルで、そして海からの視点で、『あるくみるきく』をこれからも実践しこうという決意を新たにした。

8月29日は三原で、そして11月13日は大崎上島で、それぞれ関連の講演会が行われる。 これはぜひ行かねばなるまい!
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弓削のスーパーで買い出しを済ませ、生名島経由の『青丸』で戻る。

生名大橋が完成すると、この青丸も廃止になるんだなあ。 架橋による利便性の向上と航路の廃止。 先ほど講演を聴いたばかりで、なんだか複雑な気持ちである。
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キャンプ場に戻ると5時過ぎ。 まだ蒸し暑い。 海パンに着替え、海へ。
今年初の海水浴。 もう水温は高く、まったく冷たさは感じない。 海に浸かっていると、最高に気持ち良い。

海から上がり、シャワーを浴びて着替える。

岩城島の積善山に沈む夕日を眺めながら、缶ビールを『プシュ』っと開け、独り静かに乾杯した。
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2010年6月20日(日) 朝、いつものように5時に起床。 今日は、朝食の前に一漕ぎするつもり。
空は曇り。 風もなく、さすがに朝はひんやりとして快適だ。 海には薄い靄がかかっている。
準備をしていると、いつも出会う因島から『みかん』を出作に来ておられるおっちゃんに出会った。
『おはようございます』 『おお、おはよう』
『今日は早いじゃないですか! 昨日も蒸し暑かったけど、今日は雲もあってこの時間なら涼しいですね』 『ほうじゃのう』
『ところで今年はみかんはどうですか?』 『いやあ、だめだめ。 今の時期は、梅でももう実がなりよらんといけんが、今年はどうや、ぜんぜん実がなったらんじゃろう』 『なるほど、ほうですね』
『今年は春の花の時期に、気温が低うてなかなか花が落ちんかった。 じゃけえ、みかんも、梅もあまりようないよのう』 『ほうですか。 やっぱり、ゴールデンウイーク頃までの涼しかった悪天候が響いとるんですね』
『じゃが、それなら今年の冬はみかんが高うなるかも知れませんね。 そしたら儲かるんじゃないですか?』 『なあにが。 高うなったら、他の安い所から買われるだけで、もうかりゃあせんよ』 『そんなもんですかね』
『ほいじゃあ、ちょっとだけ漕いできます』 『おお、気をつけての』

静かに浜を漕ぎ出し、半時間ほどの朝のお散歩ツーリングを堪能。
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浜に戻り、シーカヤックを片付けていると、カヤックをカートップした車が駐車場に入ってきた。 こんな朝早くから、しかもマイナーな生名島にカヤッカーが来るなんて珍しいな。
車を降りてこられた方としばしお話ししていると、『もしかして、ブログやっておられますか?』
『ええ、瀬戸内シーカヤック日記っていうんです』 『以前、コメントしたことがあるんですよ』 伺ってみると、telemarkstyleさんであった。
『私もブログ、拝見していますよ。 日本中いろいろ行かれてスゴいですね』

どうやら昨日は四国で行われた、内田隊長もゲストとして招聘されたイベントに参加され、その帰りに生名島に寄られたのだとか。
『笠岡から西は漕いだ事がなかったんです。 前にブログに書かれていて気になっていたので、今日は来てみました』との事。 五月連休にも、私のブログを見て下さった方々が、ここ生名島のキャンプ場に来て下さったとの事だし、今回もtelemarkstyleさんが来て下さった。

『上島町のなんちゃって観光大使』を勝手に自認する私としては、嬉しい限りである。

『櫂伝馬、良かったですねえ』 『はい、ありがとうございます。 ほんと、あれは最高に良かったですよ』
『今日は日帰りですか? 私はシャワーを浴びて着替えて朝ご飯食べたら帰ります。 気をつけて、ゆっくり楽しんで来て下さい』 『ええ、これからも、あるくみるきくの精神で頑張って下さい』
『ありがとうございます。 ではまたどこかの海で!』
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土曜日は、『宮本常一がみた芸予の海とその暮らし 瀬戸内巡回展』との偶然を装った必然の出会い。 そして今日は、ブログを見ていただいているという方との偶然の出会い。 2010年は、ほんとうに様々な出会いに恵まれているなあ。

今年の24&25漕ぎは『旅する櫂伝馬』 そしてこの週末は、お気に入りの『しまなみ海道 生名島&弓削島』で26&27漕ぎ。 6ヶ月で27漕ぎだから、良いペースである。 偶然の出会いに恵まれ、またまた充実した良い週末であった。
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