あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

瀬戸内シーカヤック日記: 地元の島で体験&ロケハンツーリング

2010年09月20日 | 旅するシーカヤック
2010年9月20日(月) 三連休の最終日は、夏のシーカヤック教室でお世話になっている、地元の島にある施設の先生方との日帰りショートツーリング。
途中、今日のツーリングに同行する事となった同じ会社の方をピックアップし、島へと向かう。

9時前に本日の参加者が集まると、カヤックと道具を運び、出艇の準備。

今日は、伴走船に2人、タンデムカヤック2艇で4人、そして私の計7人である。
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まずは装備を確認し、お互いに自己紹介。 その後は、ツアー開始時には必ず行う、ナビゲーションを中心とした出発前のミーティング。
今日の最新の天気予報を伝え、潮汐情報とそれに基づく潮流予測、そして予定ルートの距離と予想到着時刻、更にはこの辺りを何度も漕いだ経験からの要注意ポイントについてお話しする。

『じゃあ、出発しますか!』
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いつも練習している港を出て、目の前の島を目指して漕ぎ出した。

直線距離なら、ほんの1kmとちょっと。 一人なら、ほんの10分程度で渡れる距離ではあるが、今回はシーカヤックでの島渡りは初めてのメンバーばかり。
周囲をしっかりとワッチし、声を掛け合いながら慎重に漕ぎ進んだ。
 
無事、目の前の島に渡り、そこからはタンデム艇を入れ替えて湾内を体験パドリング。 『どうですか? カヤックが違えば漕いだ感じも違うでしょう?』

今回、タンデム艇を漕いだペアは、初めての組み合わせもある。 そして、同じように見えても、船底の形や漕ぎ方の癖によって、漕ぎ易さも違ってくる。
見ていると、乗り換えた後のカヤックとの組み合わせの方が上手く漕げそうな感じ。 『うん、じゃあ帰りはこの組み合わせで行きましょう!』

浜にカヤックを引き揚げ、少し早いが昼食の準備を開始した。 手の空いたメンバーは、伴走船で釣りへ。
みんなそれぞれ楽しそうに静かな浜での一時を楽しんでいるようだ。
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今日のメインは、施設の先生方のリクエストでカレーである。 食材は先生方、調理器具一式は私が準備する事になっているので、炊飯用に持ってきたアルミ製のダッチオーブンを出してみた。
カレー用には、同じく厚肉のアルミ鍋。 いずれもその昔、家族でのカヌー&キャンプツーリングの時に使っていた道具である。

一粒一粒の米が立った、まさにカレー向きのご飯が炊けた頃、釣り組から今日の獲物が戻ってきた。 見ると、カマス系の魚のようである。
さっそく鱗を取り、ハラワタを出して、ダッチオーブンの蓋の裏を使って塩焼きに。 焼けてきたら、持参したクレージーソルトをパラリと振って完成!
 
おいしそうに炊けたご飯を皿によそい、具沢山のカレーをたっぷりとかける。 準備されていた福神漬けもトッピングして、『いただきます!』
 
晴れ間の出てきた瀬戸内らしい海景色を眺めつつ、穫れたて焼きたてのカマスをつまみ、熱々でおいしいカレーをパクリ。 『うーん、最高だ!』

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おいしいカレーを食べ、ストームクッカーでお湯を沸かして食後のコーヒーを楽しんでいると、急に風が強くなってきた。
『うん、これは撤収のタイミングだ!』

『コーヒーを飲んだらすぐに片付けて戻りますよ。 釣り組は、コーヒー無しで撤収してもらいましょう』
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荷物を片付け、パッキングすると、集まって出発前のミーティング。 風は強くなってきたものの、これくらいならタンデム艇で問題なく漕ぎ戻れる事を話し、こんな状況では固まって漕ぐ事を伝える。 『ようし、少し頑張らないといけないけど、じゃあそろそろ行こうか!』

少し強めの斜め左からの向い風と向かい波の中、メンバーに声を掛け、伴走船の状況も確認しつつ、一漕ぎ一漕ぎしっかりと水をキャッチして漕ぎ進む。
『ようし、良い感じ!』 『こんなのは波のうちには入らないよ。 しっかり前を見て漕いで』 『そうそう、いいじゃない。 パドルを気持ち前に差し込んで、後ろまでしっかり引いてくる』 『うん、もう少し広めに、肩幅より少し広く持った方が漕ぎ易いよ』

『頑張れー! 自分の命は自分で守る。 荒れた海では誰も助けてくれないよ。 自分で漕ぐしかないんだ。 そうそう、まだまだ行けるよ』
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いつもの港まで無事に漕ぎ戻ると、集まって今回の経験に付いてお話しさせていただいた。

午前中の絶好のコンディションでの島渡り。 だれもいない静かな浜での楽しい昼食準備とおいしいお昼ご飯。 そして初めて外に出たメンバーには少しキツかった帰路での体験。

その全てが、来年企画しようとしている、子供達を連れての日帰り島渡りツーリングにとても役立つ事をお話しし、経験者が同行している状況の中で少しずつ厳しい条件を体験していく事の大切さを伝える。

『今日はとても良いツアーだったと思うよ。 先生方がこんな状況を体験しておいたら、子供達を連れて島に渡ったときでも、多少荒れてもパニックにならずに済む。 自分達が、こんな状況で漕いだことがあるという経験があるかないかで、いざと言う時、それは精神的にまったく違いますよ』
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メンバー全員、無事に出発地点に戻り、荷物を片付け、カヤックを運び、潮抜きして今日の体験&ロケハンツアーは終了した。

シャワーを浴びた後は、今日の参加者が集まって、会議室でミーティング。
『来年は、ぜひ子供達を連れてやりたいですよね』 『そう、こんなツアーを子供達とやるのが、長年の夢の一つだったんですよ』 『うん、ぜひやりましょう。 お手伝いさせて下さい』
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今年3年目となった、地元の島の施設でのシーカヤック教室。 今回は、長年の夢であった子供達を連れての島渡りに向けた、職員の方対象のロケハンツーリングであったが、これを今回実行できたことで、来年のプランの具体的なイメージが固まってきた。

いやあ、これはほんと楽しみだ! 寮長さん、そして職員の方々。 ほんとうにありがとうございました。 来年こそは、長年あたためてきたプランを、ぜひ実現しましょう!
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