あるくみるきく_瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内を中心とした、『旅するシーカヤック』の記録

瀬戸内シーカヤック日記: 夏のシーカヤック教室_2015年〆の島渡りツーリング、坂田明&スガダイロー

2015年09月29日 | 旅するシーカヤック
2015年9月26日(土) 今日は、夏のシーカヤック教室の恒例となった、島渡りツーリングの日。

地元の島で毎年夏にボランティアで実施させていただいているシーカヤック教室も、今年で8年目となった。
まだ架橋されていなかった最初の頃は、カヤックを積んだクルマをフェリーに載せて渡らなければ行けなかったため、費用の事もあって夏に数回程度体験試乗していただくような形でスタートした。
その後、橋が架かって便利になって開催頻度を高め、ここ数年は職員さんの提案で、決まった子供達が参加するシーカヤック部という形式を取っていただけるようになって進化した。
そして夏の練習が終わった9月には、近くにある島に渡ってカレーを作って食べたり、海で泳いで遊んだり、釣りをしたり、部活動の打ち上げをみんなで楽しんでいる。

今日は楽しみにしているその島渡りの日。 天気が良いと好いなあ。

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9時集合に合わせ、島へと向かう。 空は曇り、少し風があるようだ。

毎年、ボートでサポートしていただける寮長さんに、『風があるんで、下見に行きましょう』とお願いする。

ボートで港を出てみると、少しザワついてはいるが、これなら問題なく漕げそうである。

出発地点に戻り、『下見をしてきたけど、これなら行けそうなので、やりましょう!』
集合して挨拶し、準備運動。 それが終わると船割りを決めて出発。
今日は、子供が4人、寮長さんと職員さんで3人、毎年サポートしていただけるYさんと俺の、計9人である。

Yさんに先頭を行っていただき、俺は全体の状態をチェックすべく、”しんがり”を務める。

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今日は大潮の逆潮になるのだが、まだそれほど流れを感じない。

港を出た所で、シングル艇を漕ぐ女の子が、『あー、今日は波があるね。 ヤバーい』
俺は、『こんなのは、赤ちゃんみたいな波だよ。 ぜんぜん大丈夫、大丈夫!』
『えー、これで波の赤ちゃんなのー』 『そうそう、ちゃんと漕げてるよ。 スゴいなあ』


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参加している子供達は、もう2-3年漕いでいる子ばかりなのでパドリングもしっかりしたもの。
今日も、スイスイと良いペースで進んで行く。

『みんな早いなあ。 その漕ぎ方見てると、もう完璧なシーカヤッカーだねえ』

子供達の成長がこんな形で見えるというのは、本当に嬉しい事である。

空は次第に晴れ間が覗くようになり、とても気持ちのよいパドリング。

少し寄り道を楽しみ、目指す湾へと向かう。

しばらく漕ぐと、今日の目的地。

先回りして、みんなの到着を待ち、上陸する順番に写真を撮影。
この湾は眺めが良く、晴れていれば海もきれいで、子供達にも人気のスポット。

シーカヤックを引き揚げると、お待ちかねの遊びの時間である。


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釣りを楽しむ人、浜辺を走り回る子供。 俺は、職員さんと一緒にカレー作り。

この島渡りツーリングではカレーが定番なのだが、二年前はご飯がベチャベチャで『おかゆカレー』
昨年はご飯はちゃんと炊けたのだが、カレーの水が多くて『スープカレー』
そんなこんなで、『今年こそは上手く作ろうぜ!』という訳で、俺も参加する事にしてカレーを担当。

タマネギを炒め、肉を炒め、人参とジャガイモも炒める。
水を入れ、灰汁を取りながら煮込み、いよいよカレーのルーを投入。

子供達が寄って来て、カレーを見ると『うーん、美味しそう』 『腹へってきた』

ご飯担当の職員さんが、『これ、どうですかね?』 『うん。 もう少ししてお焦げっぽい匂いがしてきたら、火を切っていいんじゃない』

しばらく蒸して、いよいよ鍋の蓋を開ける。 見た目は良さそうである。
しゃもじで少し掬ってみんなで試食 『おー、今年は完璧じゃあ』

今年は、ご飯もカレーも良いのができた。 嬉しいなあ。

みんなにカレーをよそい、チーズを載せて食べる。 『いただきます』

秋の快晴の休日。 カヌーを漕いで渡ってきた島でカレーを作り、海を眺めながら、おしゃべりを楽しみながら、上手くできたカレーをいただく。
『うん、美味しいね』

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食後はまたまた遊びの時間。
子供達は海へ。 『ドボーン』

俺も海へ。 『ドボーン』
PFDを付け、パドルフロートを枕にプカプカ、ぷかり。 『あー、気持ちええなあ』

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海から上がり、子供達はデザートを食べ、しばしのんびり。
『じゃあ、そろそろ帰ろうか』

荷物を片付け、シーカヤックの船割りを変えて出発。

帰りは行きよりも穏やかで、気持ちのよいツーリング。

島の岬を越えると、ゴールへ向けて最後の一踏ん張り。

帰りもしんがりを務め、遅れる子や、離れそうになる子をケア。
声を掛けたり、近くに寄って励ましたり、職員さんにサポートを頼んだり。

みんな頑張って漕ぎ、無事に戻って来た!

事故もなく、最高の快晴の中、今年もシーカヤック教室の〆となる島渡りを楽しむ事ができた。
『本当にみんな成長したなあ。 うれしいよ』

ことしで8年目を迎えた、夏のシーカヤック教室。
ささやかな事ではあるが、『瀬戸内海洋文化の復興、創造そして継承』の一環として、夏のシーカヤック教室と〆の島渡りが、ここに定着していけば嬉しいと思っている。

***

道具を水洗いして片付け、シャワーを浴びると施設を辞す。
今日は、このままその先の島へ。

MSRのメッシュテントを張り、マクラーレンのガタバウトチェアとコールマンのスチールベルトをセットする。
今日は、ここでソロキャンプ。
マクラーレンのガタバウトチェアとコールマンのスチールベルトは、もう20年以上使っているお気に入りのキャンプ道具である。
目の前には、夕暮れ時の瀬戸内海。


***

ガタバウトチェアに座り、まずはエビスビールで一人乾杯。
缶のプルタブを『プシュ』 キャンプ用に買ったバカラのグラスに『トクトクトクトク』 すると泡が『シュワワワワワワー』

無事に終えた島渡りツーリングの打ち上げである。 『いただきます』
大好物のエビスビールを『グビ、グビ、グビリ』 『プハーッ』 うん美味い!

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沈みゆく夕日を眺めながら、ご飯の準備。

今日のメインは、タイカレー。

カレーを食べ、ビールを飲む。 ソーキを食べ、ビールを飲む。

食後は、長男にもらった日本酒をグビリ。

『あー、最高の休日やのう』 人生、これ以上何が要る?

***

日曜日は、家に戻るとmacbookで写真を整理し、カメラ屋さんへ。

島渡りツーリングに参加してくれた子供達に、ミニアルバムを作成。
これは、初めて島渡りをした時から続けている。 少しでも夏の想い出になればと、ささやかではあるが俺からのプレゼント。

***

夜は、呉市民ホールへ。 今日は、『藤井清水音楽祭 Vol.14』
普段ならこのような音楽イベントには感心がないのだが、今回のゲストはなんと呉の長浜出身である坂田明と、『題名のない音楽会』で見てファンになった狂気の天才ジャズピアニスト・スガダイローなのだ。
これは、行かねばなるまいという事で、前から妻と俺の分のチケットを入手していたのである。

長らく待ち、ようやくゲスト出演。
ピアノがスガダイロー、ヴォーカルは前田祐希、そしてサックスは坂田明。

坂田明さんの、広島弁によるゆるいトークでスタート。
①紡歌、②おかよ、③雁が啼きます、④河原柳、⑤佐渡が島。
②の『おかよ』は、まるでフリージャズセッション。 そして⑤の、坂田明さんも好きだと言う『佐渡が島』も素晴らしかった。

鳴り止まない拍手で、アンコール。 これがなんと、『音戸の舟歌』
この民謡を、坂田明が歌うのである。 初めて聴く坂田明の歌。
そしてその声がなんとも渋く、そしてサックスが心を震わせ、スガダイローのピアノが脳を痺れさせる。
これぞまさに至福の一時!

演奏中もハイライトシーンで拍手が何度も沸き起こり、演奏後も拍手が鳴り止まない。
本当に良い音楽を楽しませていただくことができた。

月見の夜の、最高の贈り物。

***

夏のシーカヤック教室の〆となる島渡りを楽しみ、一人で打ち上げキャンプでのんびりまったり、そして坂田明とスガダイローのセッションを堪能した、最高の週末。
さて、来週はどこ行こう?
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