tyakoの茶の湯往来

日常生活の中から茶道の事を中心に、花の事、旅の事、そして、本や写真の事など、気ままに書いて見ようと思ってます。

初風炉の茶事 ~続き~2

2011-05-04 15:43:55 | 茶の湯
初風炉の茶事続編です。

前回飯器まで出しましたので、煮物碗から運び出して行きます。煮物碗は茶懐石の主役ともいえる料理で、料理を作る人の最も力が入るところだそうです。



亭主が運び出し終えると、「お熱いうちにどうぞ」と挨拶をします。
一同一斉にお碗の蓋を取りお碗の中の景色を拝見し箸をつけます。この煮物碗は一見地味に見えますが、鯛を道明寺粉と桜の葉に包み蒸しあげたものに、コゴミが添えられたお碗で、口に入れると鯛の味が口いっぱいに広がりとても美味しい料理でした。

続いて焼き物が運びだされます。
魚は「鰆の幽庵」で、一切れずつ取り分けて器は末客まで送られます。



再び「飯器」が持ち出されますが、今回はご飯がいっぱい盛られております。
最初に出された「一文字のご飯」は、炊き上がって直ぐのものを、釜の端をすくいあげたものでグシャとしたご飯です。(あなたのために炊いたご飯です。を無言で現しております)

持ち出されたご飯は、炊き上がりから時間が経っているので一番美味しいところですので、たくさん食べて頂く為に十分過ぎるほど盛って出します。客は好きなだけ取り回していただきます。

ご飯を取り回していると、亭主が「強肴」又は(進肴」「預け鉢とも云う)を持ち出します。



強肴は旬の食材を炊き合わせた煮物で、今回は、若筍煮にわかめと木の芽が盛ってあります。
写真を見ると分かると思いますが、鉢に添えてある箸が節のところで切ってありますが、「元節」といって、この箸が器に添えられてきたら、「料理はこれでおしまいです」のサインです。

茶懐石は一汁三菜が基本で、すでに全部出し終わっておりますが、最後の煮物は亭主の心入れとも言うべきもので、もてなしの心の現われです。

すでに2時間は過ぎておりますが、初風炉の茶事はまだ続きます。




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