アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

日曜日記48・「10連休」と格差社会・6年前の「4・28」・なぜ「ロ朝」なのか

2019年04月28日 | 日記・エッセイ・コラム

☆「10連休」と格差社会

 きのう(27日)から異例の「10連休」が始まった。「報道特集」(TBS)で、パート労働の女性が怒っていた。「私たちのような(時給で働いている)非正規の者が10日も休めば生活していかれない。10連休を決めた国は正規労働者のことしか考えていない。国は私たちの生活を補償してくれるのか」

  まったく同感だ。コンビニの同僚(同じアルバイト)も世間の月給取り(正規社員)を羨ましがっていた。NHKはじめメディアは連休といえば成田空港か新幹線ホームの「旅行を楽しむ家族」を映すのが定番(馬鹿らしいほど判で押したような)だが、その多くは正規労働者の家族だろう。時給800~900円で労働力を切り売りしている非正規労働の実態を、「国」や大手メディアは知っているのか。

  安倍政権は「10連休は天皇即位の恩恵」とでも言いたかったのだろうが、時事通信の世論調査でも、「10連休」を評価する人36・5%に対し、評価しない人が41・0%だ。安倍の思惑は完全に裏目に出ている。

 「皇位継承」が生んだ異例(異常)な「10連休」は、はしなくも、日本の格差社会の実態と、庶民の生活など眼中にない安倍政権の本性をあぶりだすことになった。

☆6年前の「4・28」

  きょう4月28日は、67年前にサンフランシスコ講和条約と日米安保条約が発効した日だ。政府は「主権回復の日」と喧伝するが、沖縄にとっては日本から切り離されアメリカの統治下に置かれた「屈辱の日」であることは周知のこと。

 6年前のきょう、沖縄はよく晴れて暑かった。宜野湾海浜公園では「4・28政府式典に抗議する『屈辱の日』沖縄大会」が開催された。当時沖縄にいた私も、抗議を示す「緑色のもの」を身に着けて参加した。

 その県民大会が抗議の対象にした安倍政権主催の政府式典に、天皇・皇后が出席した。式典終了間際には安倍をはじめ全員が「天皇陛下、万歳」を唱えた。

 日米軍事同盟であるサ条約・安保条約発効の記念式典に天皇・皇后を担ぎ出して祝う。天皇の政治利用を絵に描いたような光景だった。

 それから6年。徳仁が天皇になって「初の国賓」として5月末にトランプが来日し、徳仁と会談する。「揺るがない日米同盟」(安倍首相)を誇示するためだ。

 明仁から徳仁へ代わっても、天皇の政治利用、日米同盟と一体不可分の天皇制、という本質は何も変わらない。

☆なぜ「朝ロ」でなく「ロ朝」なのか

  25日に行われた朝鮮民主主義人民共和国(朝鮮)の金正恩委員長とロシアのプーチン大統領の会談。これを日本のメディアは1つの例外もなく(「しんぶん赤旗」も含め)、「ロ朝会談」と報じた。なぜ「ロ朝」なのか。なぜ「朝ロ」ではないのか。

 日本がかかわっている場合は日本が先にくる(「日米」「日朝」など)。これはまあいいだろう。では日本がかかわっていない時はどうか。おそらく日本に近しい国が前、というのがメディアの基準だろう。アメリカがかかわっている場合は必ず米が先にくる(「米朝」「米中」など)のは、日米同盟のためだろう。

 では今回、「ロ朝」としたのはなぜなのか。ロシアの方が朝鮮より”近い“とでもいうのか。そんなバカな。歴史的にも地理的にも朝鮮の方が近いことは言うまでもない。

 にもかかわらず「ロ朝」をはじめ必ず朝鮮を後にするのは、朝鮮に対する蔑視・差別の反映ではないのか。

  私は「朝ロ会談」と書く。朝鮮とアメリカの会談も「米朝会談」ではなく「朝米会談」と書いた。今後もそう書く。朝鮮に対する偏見・差別は許せない、日米軍事同盟は認めない、という意味を込めて。

 


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